毎年、地元出身のアーティストがデザインする祭のポスター
Ajuntament de Barcelona

 街も人もヴァカンス気分一色の8月が終わり、学校や職場での日常が戻ってくる9月に入ると、バルセロナではメルセ祭(La Mercè)のポスターをあちこちで目にするようになる。例年の色鮮やかなポスターに比べると、今年は一転してぐっとシックなデザインが採用されている。

 9月24日のメルセ聖母の日を中心に行われるこのお祭りは、バルセロナ市の大祭、つまり年間を通していちばん盛大なもので、今年も21日から24日までの4日間、旧市街を中心に市内各所でさまざまなイベントが繰り広げられる。例年のプログラムには、ロックやジャズ、ポップなどのさまざまなコンサート、近年人気のライトパフォーマンスも含めた各種ストリートパフォーマンスなど、多彩なイベントがぎっしり詰め込まれるが、観光で訪れる日本人にとってもっとも見ごたえがあるのは、やはりカタルーニャの伝統行事の数々だろう。

街中に登場する巨大人形
Ajuntament de Barcelona

 ジャガン(Gegant)と呼ばれる巨大人形のダンスや、サルダーナなどの伝統舞踊なども良く知られているが、ぜひ見ていただきたいのは「人間の塔」とも呼ばれるカステイ(Castell)だ。ガイドブックなどにもよく写真が掲載されているので見たことがある方も多いと思うが、これはやはりナマで見てこそ価値があるもの。土台となる大人の男たちががっしりと組み合い、上段の重みに肩や腕が震えるのを耐える様子や、高く組みあがった最上段に小さな子供がよじ登るのを息を止めて見守る観衆、成功した時の大歓声などは、その場にいるからこそ味わえる感動である。

難易度の高い「塔」が成功した時は、観客の歓声も一段とアップ
Ajuntament de Barcelona

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text:Miyuki Tsubota