ストレスあふれる現代社会、心身共に安らげるリラックス空間が求められるのはいずこも同じのようで、バルセロナでもここ数年、町なかで楽しめるスパが増えてきている。とはいえ、中心になっているのは、各種マッサージやトリートメントが受けられるおしゃれなエステサロン、といったタイプで、お湯につかってゆったりできるタイプは、高級ホテル内以外にはなかなかないのも事実。そんななかアラブ風スパというコンセプトで人気を博しているのが、「アイレ・デ・バルセロナ」だ。ここでいうアラブ風とは、8世紀にわたりイベリア半島を支配したアラブ人たちが、古代ローマの浴場のアイデアを取り入れて独自に作り上げた公衆浴場のモデルのこと。それを現代風に甦らせたのがこのアイレ・デ・バルセロナというわけである。
建物自体は残念ながらアラブ時代のものではないが、19世紀末に建てられたレンガ造りの倉庫を上手に利用、オリジナルの構造を極力残しながらラグジュアリーな空間を創出している。お湯の温度は36℃と40℃、加えて16℃の水風呂があり、異なる温度の水・お湯に浸かることで血行が促進、全身のリラックス効果が高められる。ほかにもハマム(蒸し風呂)や塩水浴などがあり、さまざまなタイプのバスを楽しんだ後は、ハーブティーでのどをうるおしつつ、暖められた大理石のベンチでのんびりと。さらにリラックスしたいなら、マッサージ付きのパックもおすすめだ。全身リラックス用から、ヘッド、フット、フェイシャル、アンチストレスなどさまざまなメニューが用意されている。気になる料金だが、スパ利用だけなら28ユーロ、フェイシャルマッサージ付きで50ユーロなど、リーズナブルな設定がうれしい。ちなみに、タオルとスパ用スリッパは用意があるので、水着だけ持参すればOKである。