若手料理人が次々と独立を果たす近ごろの京都。

 確かな技をもちつつ、個性はしっかり打ち出す。その加減はどの店も絶妙で開店と同時に予約困難な店となってしまうのも納得せずにはいられない。

 予約が取れたら京都へ、そんな楽しみ方も良いものだ。


心地よく期待を裏切る
料理をお好みで

●実伶(みれい)

 好きなものを好きなだけ、というスタイルは京都において時に最上のもてなしになる。

 朝食・昼食はもちろん、甘いものの誘惑も多い京都で一日を過ごせば夕食時に空腹でいられることはほぼないからだ。

 そんなときこそアラカルトの出番。

 しかもこちらの品書きには50以上の料理がぎっしり。迷いながら選ぶ楽しみも約束してくれる。

 「アラカルトって難しい料理は好まれなくて、馴染みのものを頼まれることが多いんです。それをどうやって出してくるかが期待される。そこで、おっと思わせられるかが腕の見せどころです」と店主の中尾雄三さん。

 祇園の割烹で培った自信をのぞかせる。なるほど品書きに書かれた料理名は極めてシンプル。

 ところが例えば“車海老 山菜かき揚げ”なら、塩代わりに自家製からすみがたっぷりかけられ、頭は別に揚げて添えられているといった具合に供される。

 想定外の仕立てに思わず笑みがこぼれる、そんな品尽くしなのが何よりの贅沢だ。

実伶(みれい)

所在地  京都市中京区竹屋町通室町東入ル亀屋町143-2
電話番号 075-251-2007
営業時間 17:00~22:30(22:00 L.O.)
定休日 水曜
※要予約

Feature

今の京都で輝く
若手料理人の新店へ

Text=Mako Yamato
Photo=Takashi Shimizu