ここでしか観られない
ドガのブロンズ像は必見

フランス印象派の画家、エドガー・ドガのアトリエから発見されたブロンズ像全72体が揃う。これらはデッサン用にワックスで作られ、死後にブロンズ像に作り変えられた。足を洗う、風呂に入る、レッスンに励むなど、バレリーナの日常がドガの鋭い観察力によって表現されている。
同館が所蔵する作品で、ここでしか観られないものがいくつかあるが、その中でもキュレーターが一押しするのがフランスの画家、エドガー・ドガのブロンズ像だ。けっして大きな作品ではないが、72体という数の多さに圧倒される。

また、1800年代前半のデンマーク絵画の創作活動が盛んだった「ゴールデン・エイジ」時代の絵画を集めた2階の展示室もおすすめだ。ローマに留学し、その地で活躍した彫刻家トーヴァルセンの肖像画も必見だ。
右:中庭のベンチは人気スポット。
アート鑑賞に疲れたら、入り口正面のウィンター・ガーデンでひと休み。
ドーム型のガラス天井の下、ヤシなどの南国の木々がうっそうと茂り、屋根からの自然光に照らされた噴水からは静かに水音が聞こえてくる。

冬が暗くて長い、北欧デンマークの人々がここを「グリーンオアシス」と呼び、立ち寄る理由が分かるはずだ。


ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館
所在地 Dantes Plads 7, København V
電話番号 3341 8141
開館時間 11:00~18:00(木曜 ~22:00)
休館日 月曜、祝日
入館料 115デンマーク・クローネ(火曜は無料)
https://www.glyptoteket.dk/

Feature
美しい美術館の宝庫
デンマークでアート体験
Text=Chieko Tomita
Photo=Atsushi Hashimoto