都市部においても森や海が人々の身近にあるデンマーク。多くの美術館が自然を取り入れた環境をテーマにしている。元富裕層の邸宅、王室の離宮、著名女性作家の生家など、異なる年代の建物や庭でアートを身近に感じたい。
「フローラ・ダニカ」の
繊細な美しさに感嘆
●ローゼンボー城
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王室の夏の離宮として1606年に建てられたローゼンボー城は、市内中心部の観光名所のひとつだ。
人気があるのは王族の王冠や宝飾品が並ぶ地下の展示室だが、最上階の「フローラ・ダニカ」などの食器が飾られた部屋も、器好きなら見逃せない。
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フローラ・ダニカは、現在もデンマーク王室御用達のロイヤルコペンハーゲン社で作られているが、ここにあるのは、1790年から1803年にかけてのもの。
当時のロシアの君主、エカテリーナ2世へ献上される予定だったが、完成前に彼女が亡くなったため、国内にとどまったのだ。
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ちなみに、フローラ・ダニカとは、デンマークの植物図鑑。絵付け師はそこからモチーフを選び、アレンジして描くため、一つとして同じパターンがないのが特徴だ。
また、王族のポートレートが付いた花器には繊細な花々が施され、当時の王室の豪華な暮らしを物語っている。
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ローゼンボー城
所在地 Øster Voldgade 4A, København K
電話番号 3318 6047
開館時間 10:00~15:00(~12月22日、31日、1月2日~4月30日は~16:00)
休館日 月曜、12月23~25日、1月1日
※5月1日以降の開館時間、休館日についてはHPで要チェック
入館料 110デンマーク・クローネ
http://www.kongernessamling.dk/en/rosenborg/
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Feature
美しい美術館の宝庫
デンマークでアート体験
Text=Chieko Tomita
Photo=Atsushi Hashimoto