「ハワイアン・マホガニー」と言われるコアは、神が宿る木
尊敬するリカルドさんのデザインを引き継ぎ、若き天才とも言われるチャールズさん。お会いしてみると、とっても優しくて、なんの知識もない私にも丁寧によどみなくコアの魅力を話してくださいました。
デレラスで作られるものの90%以上はコア製品。コアとはハワイ固有種でマメ科の高木。ニイハウ島とカホオラヴェ島をのぞくハワイ諸島で原生していますが、特定の地域にあるもののみ伐採できる決まりとなっていて、その数は限られているため、大変な高級品です。
昔話では、ラカという少年が祖母に頼まれて、失踪した父親を探すためにメネフネ(ハワイの小人)に頼んで、三日月型の葉をつけた木でカヌーを作ってもらったそうです。残念ながら父親はすでになくなっていたけれども、この頑丈なカヌーのおかげで優れた漁師となった、と語り継がれています。コアは小さな葉と三日月型の葉と、2種類の葉をつけるとても面白い木で、古代ハワイアンの時代にはハワイ王朝しか使用することができなかったと言われています。
“神が宿る木”とも言われており、木材になったときの美しい光沢、重硬な木質からハワイアン・マホガニーの名前も持ちます。現在、デレラスで扱うコアはそのほとんどがハワイ島のもの、そして一部がオアフ島のもの。ハワイ島産のコアは、赤っぽくゴールドがかった色味、オアフ島産は、ハワイ島よりも古い島なので、土壌が違うからか、濃い茶色が木目として入り、ピンクがかった緑色であるのが特徴。コアの中でもカーリーコアという虎の縞模様のように木目が入ったものは貴重で、全体の1~2%しか採れないため特に人気が高く、普通のコアとは区別して製材されます。
太平洋の小さなハワイ諸島にしか原生しないコアの木は、成木になるまでに40年もかかり、伐採数も限られています。けれども、ハワイの伝統工芸品として、チャールズさんのような人たちがちゃんと身近なものにしてくれるお陰で、ハワイの人々の生活の中で生きています。
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2012.10.09(火)