アッペンツェルのモノ作りを守る
1780年創業のアトリエ

◆ Hampi Fässler (ハンピ・フェスラー)

左:アトリエに飾られた古いカウベルとベルト。
右:工芸学校で学んだ後に工房を受け継いだハンピさん。「これで15kgの重さがあるんだよ」

 古くは刺繍やレース、木工をはじめとした工芸が盛んだったアッペンツェル。時代の移り変わりとともに消え去りつつある、この伝統を守り続けるのがハンピさん。カウベル用のベルト職人で、1780年から続く先祖代々の工房を受け継ぐ7代目だ。

牧のぼりの行事など、特別な日のためのベルト。施された装飾がゴージャス。

 その技の真骨頂といえば、牛、ヒツジ、ヤギが山の牧草地へと上がっていくのを祝福する初夏の伝統行事“牧のぼり”などの際に用いる絢爛な飾りベルト。手工芸の様々な技法を結集し、注文を受けてから数カ月かけて仕上げるという芸術品。“本物”だけがもつ美しさに魅了されるはずだ。

一つひとつ手作業で仕上げるベルト飾り。
アトリエには、購入できるアイテムも少々。黒はウェストベルト(人間用) 250スイスフラン、ピンクは犬の首輪 100スイスフラン。
ミニカウベル 25スイスフラン。
細工が美しい手作りバングル 250スイスフラン~。
訪問は事前に要連絡だが、ウィンドウを眺めるだけなら、もちろんOK。

Hampi Fässler(ハンピ・フェスラー)
所在地 Kaustrasse 2, Appenzell
電話番号 071-787-18-42
※工房訪問は事前に要連絡

Feature

スイスの手作りの伝統が息づく
メルヘンな村アッペンツェル

Photo=Taisuke Yoshida
Edit & Text=Shojiro Yano
Special Thanks=Mieko Tscherter、Toshimi Brunner