チューリヒから2時間ほど列車に乗るだけで、全く異なる文化に触れられるスイス。北東部に位置するアッペンツェルは、希少な社会制度を守り続ける味わい深い村だ。
» 第1回 展望台からの爽快な大パノラマは必見!
» 第3回 個性派グルメが揃う老舗ホテル
» 第4回 珍しい郷土菓子が並ぶ名店
» 第5回 濃厚な香りがたまらない名産チーズ店
» 第6回 オリジナルのハンドメイド雑貨店
» 第7回 こだわりの郷土料理レストラン
» 第8回 老若男女に愛される国民的薬草酒の工場
» 第9回 ご当地肉が美味しいと評判の肉屋
» 第10回 伝統製法を守り続ける人気ビール
アッペンツェルのモノ作りを守る
1780年創業のアトリエ
◆ Hampi Fässler (ハンピ・フェスラー)
右:工芸学校で学んだ後に工房を受け継いだハンピさん。「これで15kgの重さがあるんだよ」
古くは刺繍やレース、木工をはじめとした工芸が盛んだったアッペンツェル。時代の移り変わりとともに消え去りつつある、この伝統を守り続けるのがハンピさん。カウベル用のベルト職人で、1780年から続く先祖代々の工房を受け継ぐ7代目だ。
その技の真骨頂といえば、牛、ヒツジ、ヤギが山の牧草地へと上がっていくのを祝福する初夏の伝統行事“牧のぼり”などの際に用いる絢爛な飾りベルト。手工芸の様々な技法を結集し、注文を受けてから数カ月かけて仕上げるという芸術品。“本物”だけがもつ美しさに魅了されるはずだ。
Hampi Fässler(ハンピ・フェスラー)
所在地 Kaustrasse 2, Appenzell
電話番号 071-787-18-42
※工房訪問は事前に要連絡
Feature
スイスの手作りの伝統が息づく
メルヘンな村アッペンツェル
Photo=Taisuke Yoshida
Edit & Text=Shojiro Yano
Special Thanks=Mieko Tscherter、Toshimi Brunner