新たなダイエット方法が次々と登場し、その度に挑戦、そして挫折……。そんな経験はないだろうか。

 6月に発売された『科学的に実証された 超ダイエット習慣大全』は、膨大な論文をもとに本当に有益な習慣を伝えるベストセラー本を世に送り出してきた堀秀吾教授と、美容・健康の知見が深い木島豪医師がタッグを組み、科学的に実証された最新のダイエットメソッドを余すところなく紹介している。

 科学的に実証されたダイエットに役立つ習慣を108項目提示する本書から、一部抜粋してお届けする。

» 【後篇を読む】「“とりあえずビール”の悪影響は…」「体重と同じぐらい重要な指標は?」科学的に実証されたダイエットメソッドが教える、夏太りに打ち勝つ方法


「朝に仕込む」「自分で選ぶ」──習慣化加速の2条件

 夜より朝、他人に言われたり選んでもらうより自分の意思で。これだけで習慣化は強固かつ長続きするものなのである。

朝がよいのはコルチゾール分泌と予定外が起きにくいのが理由

 習慣化を目指すとき、「いつやるか」は、思った以上に大きく影響します。

 コート・ダジュール大学のフルニエらは、48名の学生が90日間、毎日同じストレッチに取り組む実験を行いました。参加者はランダムに「起床直後に行うグループ」と「就寝直前に行うグループ」に分けられました。自動化、つまり「意識しなくても自然にできる」状態に達するまでの日数を測定すると、朝グループは約106日だったのに対し、夜グループは約154日。同じ行動・同じ頻度でも、実施するタイミングによって約1.5倍の差が生まれたのです。

 この違いをもたらした要因として、コルチゾール(ストレスや覚醒に関わるホルモン)が挙げられています。コルチゾールは脳と体を目覚めさせるために朝に急上昇し、新しいパターンを記憶に定着させる働きにも関わります。朝は脳が「新しい習慣を刻み込みやすい状態」にあるのです。夜はその値が底をつき、記憶への刻み込みが弱まります。加えて、朝は予定外の出来事が起こりにくく、きっかけが毎日安定しやすい。この2つが重なって朝は、習慣の自動化がより早く進むと考えられています。

自律性・有能感・関係性の3つの要求が満たせるかがカギ

 もう1つ、習慣化の早さに影響するのが「自己選択」です。ユトレヒト大学のファン・デル・ワイデンらは90日間の縦断研究で、自分で選んだ目標行動について、毎日同じ文脈で一貫して繰り返すほど習慣形成が進むことが確認されました。セルフコントロール能力よりも、行動の一貫性のほうが習慣化を強く進めたのです。

 この研究では参加者が習慣化したい行動と文脈を自ら選択しました。この自律的な選択が、行動の一貫性と習慣形成に貢献した可能性が考えられます。

 これは、ロチェスター大学のライアンとデシが提唱した自己決定理論の知見とも一致します。人が自律性・有能感(自分の能力を信じる気持ち)・関係性という3つの欲求を満たしたとき、行動は長続きしやすくなるという考え方です。「自分で選んだ」という感覚は、その自律性を直接満たし、行動を継続させる内なるエンジンになります。

 三日坊主になってしまった習慣があるなら、「朝に移せないか」「もっと自分らしい形に変えられないか」を一度考えてみてください。

今日の1アクション

今日中に「いつやるか」と「何をやるか」を自分で決めてみてください。できれば朝の時間帯に設定し、「自分がやりたいと思った」形に整えること。所要時間は1分。それだけで、習慣化のスタートラインが変わります。

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