「I、お前付き合えよ」
「一瞬『マズ……』と思ったけどさ、誰も見てねぇし、そもそもこんな見えねぇ所に置くなよって話だろ。だからそのままそれ踏み越えてションベンしたんだわ」
「……それから不運が続いてるって感じなんすか?」
「……警察に切符切られたり、職場でミスったり、車ぶつけちまったり、現場で転んで手を怪我したりで散々だぜ。やっぱりバチが当たることしたらいけねぇなって思うよ、こうも続くとさ」
「はぁ……そっすか」
本音を言えば、あの強面のKさんのエピソードにしては肝っ玉が小さいというか、こんなことでそんなにビビる必要あるのかな……Iさんたちはそんな思いを抱いていたそうですが、続いてKさんの口から出た言葉に一同はさらに驚かされることになったのです。
「だからよぉ、俺お供え物とか持ってな、一回謝りに行こうかと思ってんだわ。あの石碑に」
「え、謝りにっすか?」
「おう。だからよ、I、お前付き合えよ」
フーッとIさんの顔面に吹きかけられるタバコの煙。
友人たちの顔を見回しても、皆視線を逸らすばかり。
「な?」
「……はい」
こうして、IさんはKさんと共に、後日その石碑のある展望台に赴くことになってしまったのです。
» (後篇に続く)
