生配信サービス「TwitCasting」で毎週土曜日の夜23時から配信されている怪談語りチャンネル「禍話(まがばなし)」。今年で10周年の節目を迎える同番組は、放送後にリスナーが文章や漫画へ“リライト”する文化を育てたことでも知られています。

 今回はそんな禍話から、“アカちゃん”という謎の人形の世話をするのと引き換えに安アパートに住むことになった、とある大学生にまつわるお話をご紹介します――。

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Oさんの住むアパートで、おもむろに

 改めて見るとその2階建てのアパートはかなり年季が入っていました。

 外階段を上がり、玄関脇のボロボロの洗濯機を目にしたとき、改めてOさんがここに住むと決めたことに驚かされたそうです。

 部屋の中に入ると、そこは7畳弱くらいのワンルーム。ローテーブルと小さなテレビに紺色のシーツが敷かれたベッド。あとは突き当たりに色褪せたアルミサッシの窓と裏山の湿気た景色が顔を覗かせているだけでした。

 クローゼットの在り処を探してキョロキョロしていると、Oさんが笑って玄関扉の左脇を指差していました。

「もう、見ちゃいます?」

「え……うん、じゃあ」

 カチャカチャとハンガーにかけられた服を横にどかすと、クローゼットの奥に小さな木箱が姿を現しました。

 膝くらいまでの高さのその木箱は、確かに電子レンジを縦に置いたくらいの大きさで、両開きの扉には小さな金属の取っ手が付いています。

「で、これを週に1度こうやって――」

「ちょ、ちょっと!」

 何のためらいもなく開けようとするOさんを慌てて止めたFさん。

「これ、そもそも俺が見ちゃって大丈夫なの!?」

「あー…………まあ、いいと思いますよ。じゃあ――」

 少し考え込んだものの、Oさんは再び扉の取っ手に手をかけると、躊躇なく開けてしまいました。

 思わず閉じてしまった目をゆっくり開けると、クローゼットの暗がりに両足をポンと投げ出し、こちらを向いて座っている30センチほどの人形が見えました。

 光沢を放つ茶色の髪の毛。キラリとした蒼い瞳。西洋風の顔立ちには似つかわしくない、ツギハギだらけの丈の合っていない和服。

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