Googleは、“Google Pixel”とヘラルボニーの日本限定コラボ端末“Google Pixel 10a Isai Blue”を発売した。両社は2024年より協業を重ね、これまでにGoogle ハードウェアのエモーショナルデザインの研究に合わせてヘラルボニーが内装を具現化したり、アクセサリーケースを共同制作したりと、双方のフィロソフィーを体現する取り組みを続けてきた。
コラボ端末“Isai Blue”では、オリジナルの本体カラーに加え、ヘラルボニー契約作家の作品を用いた限定デザインのパッケージとステッカー、壁紙、専用アイコンなどをそなえ、ハードウェアとソフトウェアの両面で協業を表現。パッケージは工藤みどりさん、ステッカーは藤田望人さんによるもの。ステッカーはユーザーが毎日使うスマートフォンを自分らしくカスタマイズすることで、唯一無二の所有物にできるようにと採用されたアイデアだ。
発売に際して両社は、報道関係者を招いたツアーを開催。ヘラルボニーのゆかりの地である岩手県を舞台に、旗艦店であるISAI PARKや創業のきっかけになった、るんびにい美術館を紹介した。製品だけでなく、ヘラルボニーのビジョンや作家の創作環境への理解を深めることを目的としたプログラムだ。
同ツアーを通して、“Isai Blue”誕生の裏側とヘラルボニーのルーツに迫った。
「日本の顧客に感謝を込めて」。“Google Pixel 10a Isai Blue”の誕生の背景
Googleは創業当初から、“世界中の情報を整理し、誰もがアクセスして使えるようにすること”をミッションに掲げ、挑戦を続けてきた。現在、Google検索やYouTube、Google マップ、Gmailなど、現代人の生活に欠かせないサービスを提供している。“Google Pixel”は、それらの自社サービスを純正として、どんな世代の人も安心して使えるデバイスとして親しまれている。
一方のヘラルボニーは、「異彩を放て」のミッションのもと、双子の創業者である兄・松田文登さんと弟・崇弥さんにより岩手県盛岡市で誕生。障害のある作家たちによる独創性・エネルギーに満ちた作品をビジネスと文化の力で発信し、アパレルやライフスタイル商材と掛け合わせた提案や、企業との取り組みを続けてきた。現在、自社主催の国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」は世界77の国と地域より約1300名の作家・5000以上の作品が応募されるなどの実績を積み重ね、2025年に米・Forbesの「Accessibility 200」に選出。今年5月には国際的広告賞「The One Show」の部門最高賞「Best of Discipline Pencil」を受賞し、その取り組みは海を超えて高く評価されている。設立の背景を辿ると、重度の知的障害を伴う自閉症がある4歳年上の兄、翔太さんの存在が大きな影響を与えており、企業名も翔太さんが幼少期に自由帳に書いた謎の言葉“ヘラルボニー”に由来する。
“Google Pixel A”シリーズは、ガジェットらしい異物感が少なく日常に溶け込みやすいデザインと、Geminiや優れたカメラなどのコア機能をそなえたバランスのよさが好評。特に日本国内における販売比率は、グローバル平均と比較しても高い水準にあるそうで、前身の“Google Pixel 9a”は、グッドデザイン賞も受賞した。
最新モデル“Google Pixel 10a”は、前身のデザインの良さを生かしつつ、カメラをフラットにし、より洗練された印象にアップデート。ハードウェアにおいても、最高の表情を選び出すオートベストテイクや構図のヒントをくれるカメラコーチなど、ユーザーの撮影をサポートする機能を充実させている。今回の日本限定コラボモデル“Isai Blue”の誕生経緯について、“Google Pixel”製品企画アジア太平洋事業統括 リージョナルディレクターの阿部和子さんは、「日本のみなさまへの感謝の思いを形にした」と話した。
コラボカラーとして選んだ青は、ヘラルボニーのブランドカラーであり、自閉症啓発カラーとしても歴史的な背景を持つ。さらに、藍染めやサムライブルーなどから、日本を象徴する色の一つと考えた。
「本国とも“青がいいのでは?”と話が進む中で、ヘラルボニーからも同じ提案があった。即決だった」と阿部さん。“Isai Blue”のネーミングについて、「いわゆる“普通”でないことを可能性として捉え、ありのままの個人に寄り添う“異彩”という言葉を使いたかった」と話した。“Google Pixel”では通常、“Obsidian(黒曜石)”や“Iris(アヤメ)”など自然界に存在するものの名前をそのまま採用するため、異例のネーミングとなる。
