アメリカ・ニューヨークを拠点に活動するアーティスト西川裕子によるインスタレーション作品展『Chromonaut(クロモノート)』が、東京・渋谷のTRUNK(HOTEL) CAT STREET 1階メインラウンジにて9月8日まで開催されている。


ゲストの動きによってゆっくりと表情を変える色彩の断片

 本作の素材は、かつてフォトスタジオの写真撮影で背景として使用されていたバックグラウンドペーパー。西川は役割を終えた紙を一度パルプ状に戻し、粘土のような質感を経て、自身が「クッキー」と呼ぶ有機的な形へと再構成した。

 「外部から着色料を加えることはしません。素材そのものが持つ歴史を、色を通して語らせたいのです」と語る西川。“「青い紙」がかつて宿していた青”や“「黄色い紙」が記憶していた黄色”といった素材が持つルーツが、TRUNK(HOTEL) CAT STREETで新たな関係性を生み出している。

 タイトルの『Chromonaut』とは、chromo(=色)とnaut(=旅人・冒険者)を組み合わせた造語。西川がニューヨークのスタジオで1つひとつ手作業で形作り、天井から降り注ぐように展示された色彩の断片は、ゲスト(=旅人)の動きによって生まれる微かな気流に反応し、ゆっくりと表情を変えていく。会場では、展示作品の一部が販売されている。

 『Chromonaut』は入場無料で、TRUNK(HOTEL) CAT STREET館内を利用するすべての人が鑑賞できる。“素材の記憶を宿すアートピース”を、共有体験の中で生まれる小さな変化の連続を「Socializing」として捉えるTRUNK(HOTEL) CAT STREETで体感しよう。

Yuko Nishikawa 『Chromonaut』

日時:2026年4月1日(水)〜2026年9月8日(火)9:00〜23:00
   入場無料・無休
会場:TRUNK(HOTEL) CAT STREET 1F TRUNK(LOUNGE)
   東京都渋谷区神宮前5-31
Instagram:@trunkhotel_catstreet

西川裕子(にしかわ・ゆうこ)

1976年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動。1990年代半ばにニューヨークへ渡り、インテリアデザインを学ぶ。家具を10年間デザインした後、クラフトとマテリアルサイエンス、空間研究を横断しながら、空間における変容的な体験を生み出す作品を制作。絵画、彫刻、インスタレーションなど、多様な表現を横断する西川の作品は、色彩、動き、素材を通して喜びと驚きを呼び起こす。粘土、ワイヤー、光、工業用部品といった素材に加え、レンズや貝殻、ビーチプラスチックなどの日常的なアイテムや自然の素材を用いながら、遊び心のある視覚的・感覚的な表現を展開している。常設作品はニューヨーク・ブルックリン、マサチューセッツ・ウォータータウン、テキサス・フリスコ、東京などに設置されている。
Instagram:@yuko_nishikawa