Netflixドラマ「サンクチュアリ -聖域-」の力士・猿桜役でブレイクを果たした、元格闘家の俳優・一ノ瀬ワタルさん。山田裕貴さんや横浜流星さんといった熱い共演者たちとのエピソードから、問題児と対峙する難役に挑んだ劇場映画初主演作への想いまで、たっぷりと語ってくれました。
山田裕貴らと切磋琢磨した「ハイロー」エピソード
――5つのチームの抗争や友情を描いた映画『HiGH&LOW』シリーズ(2016年~)では、山田裕貴さんや鈴木貴之さんとともに、漆黒の凶悪高校「鬼邪高校(おやこう)」に属する関虎太郎役を演じました。この3人によるチームワークは、「ハイロー」ファンの中では今でも語り継がれています。
「ハイロー」は、どのチームにも必ずLDH所属の方がいらっしゃったのですが、なぜか鬼邪高のメンバーには誰もいなかったんです。だから、村山役の(山田)裕貴くんと古屋役の鈴木(貴之)くんと一緒に「俺ら、噛ませ犬みたいだね」と言い合いながら、「絶対やってやろうぜ!」と、熱い空気感を出していたと思います。
裕貴くんと鈴木くんは、役についてかなり深く話し合っていました。当時の僕は芝居のことがよく分かっていなかったので、その熱い光景を見守りつつ悩んでいたんです。すると鈴木くんが「いや、一ノ瀬くんは天才だから、頭を使ってもしょうがないよ」と言ってくれて。その言葉で一気に吹っ切れて、自分がやりたいように演じてみたら、監督がそのアイデアを採用してくださいました。
――そのアイデアについて、具体的なエピソードがあれば教えてください。
例えば、村山が、岩田(剛典)さん演じる「山王連合会」のコブラに喧嘩で負けた直後のシーンです。台本では「鬼邪高」全員で山王連合会に立ち向かう流れだったのですが、僕としては、あれだけ頑張った村山のところに真っ先に駆け寄りたいという気持ちが強くて。それで監督に「こういう芝居をやりたいです」と提案したら採用となり、裕貴くんも鈴木くんも素直に受け止めてくれました。
不思議なバランスとチームワークで作っていった思い出深い現場でしたし、あの3人だったからこそ、あの「鬼邪高」が生まれたのだと思います。
――そんな「ハイロー」での活躍と、役作りで33キロも増量した『宮本から君へ』(19年)は、一ノ瀬さんにとって俳優人生の大きな転機となったのではないでしょうか。
ありがとうございます! それまでは見た目のキャラクターでキャスティングされることも多かったのですが、『宮本から君へ』のキャスティング担当だったおおずさわこさんから、「高い演技力が求められる役」「真淵を演じる俳優が決まらなかったから、映画版がなかなか撮れなかったんだよ」という言葉をかけられて。ものすごいプレッシャーでしたが、腹を括って勝負させてもらいました。
おおずさんは本当に厳しい方なのですが、裕貴くんから「おおずさんは、ちゃんとした熱量で向き合えば必ず認めてくれる人だよ。頑張って」と励ましてもらいました。
作品がクランクアップしたとき、おおずさんが「私の今回の手柄は、一ノ瀬ワタルを見つけたこと」と言ってくださったときは、本当に嬉しかったですね。
