レストランカウンターを舞台に見立てる
レストラン空間もまた、劇場だった弥栄会館の記憶を鮮やかに呼び覚ます。フランス料理「練」は、帝国ホテルのフランス料理として初のカウンタースタイルを採用し、そこを舞台と見なす。
背景には左官職人・久住誠氏による、東山からの風の揺らぎを表現したアートワークが据えられている。
今城浩二料理長が供するのは、素材の力を極限まで引き出す料理である。
「お客様を観客として舞台にお迎えする、そんな気構えで臨みます。食事を一つのライブ体験として味わっていただけたら」(今城料理長)
オールデイダイニング「弥栄」では、帝国ホテルの定番料理に薪窯グリルをかけ合わせた皿が提供される。また、ホテル内にはバーが2軒。
「オールドインペリアルバー」では、帝国ホテルで100年以上愛されているオリジナルカクテル“マウント フジ”を再構築した“マウント比叡”を楽しめる。
宿泊者専用の「ザ ルーフトップ」へ上がれば、北山の稜線と瓦屋根が続く圧倒的なパノラマを望むことができる。
帝国ホテル 京都は、どんな存在となるのが理想か。榊田氏に問うた。
「祇園の町の一部として溶け込んでいきたいですし、逆に、町全体がホテルの一部であるとも考えたい。土地と関係しながらともに育っていけたら何よりです」
この地で「再生と継承の物語」が、末永く紡がれていくこととなる。
帝国ホテル 京都
所在地 京都市東山区祇園町南側570-289
電話番号 075-531-0111
客室数 55
料金 164,500円~(2名1室利用)
https://www.imperialhotel.co.jp/kyoto
CREA Traveller 2026年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
