やってはいけない休み方(1)
◆SNSや動画を見る
暇つぶしにダラダラとSNSを見てしまうことは、現代の最も深刻な問題です。少し時間が空くと、SNSやショート動画を開き、次々とスワイプする。少しだけのつもりが、気づけば1時間経っていた、なんていうこともあるのではないでしょうか。
これらの行動は気分転換や休息のつもりで行われていると思いますが、実は脳を休ませることができない行為なのです。その理由は大きく3つあります。
まず、脳の視覚野が休まらないことです。私たちの脳は、目や耳から入ってくる情報を常に処理し続けようとします。たとえ、ぼーっとしているつもりでも、移動中にスマホの画面を眺めたりしている限り、脳の「視覚野」は猛烈な勢いで働いています。文字を読む、色を認識する、動画を追う。これらはすべて脳にとっては重労働です。
この状況はコップに水を注いでいる状態に例えられます。すでに仕事で情報という水がいっぱいなのに、休憩中にも水を注ぎ続けたらコップから水があふれ出します。回復するためにはまず蛇口を閉めること、つまり情報を物理的に遮断することが大切です。
2つ目は、「認知機能(判断する力)」の無駄遣いです。認知機能とは、記憶、理解、計算、判断などを行う脳の働きで、スマホのバッテリーのように使えば使うほど減っていく資源です。
会議の合間にメールを返す時は「どう返信しようか」と考えます。また、SNSを見ている時も「この投稿に『いいね』しようか」「次の動画を見ようかな」と無意識に小さな決断を繰り返しています。
こうした些細な意思決定こそが、脳のエネルギーを消耗させる原因です。仕事で重要な決断をするために取っておくべきエネルギーを、空き時間のどうでもいい決断で消費しているのです。認知機能を回復させるためには、こうした判断・決断のプロセスをストップする時間が必要です。
3つ目は自律神経が切り替わりにくいからです。休憩中にスリリングな動画を見たり、SNSのメッセージを処理したりすると交感神経が優位なままで、休憩中もアクセルを踏んでいる状態です。副交感神経はなかなか優位にならず、見終わった後はむしろ疲れているかもしれません。
まずは今日の帰宅後、スマホをしまって目を閉じてみてください。新しい情報が入ってこない静かな時間によって脳がどれほど休まるか、きっと違いを感じられるはずです。
