ヴェルサイユ宮殿や貴族の館で働いていた料理人たちがフランス革命後に離散、パリを中心に店を開いたのが食都のきっかけとか。理由は何にせよ食い倒れの街で食べないのはソン!

 第1回目は、美食店が次々とオープンするパリにおいて今、最も注目されているビストロ2軒をご紹介!

» 第2回 ロケーションも良し!「レ・ヴィネグリエ」&「ル・セルヴァン」
» 第3回 極旨ワインで乾杯!「レボショワール」&「クラウン・バー」

◆ La Marée Jeanne (ラ・マレ・ジャンヌ)

新鮮な魚介料理を良心的なお値段で楽しめる新店

ボラのグリル。ブール・ノワゼットで和えたポテトのピュレと。トマトと黒オリーブで爽やかな後味。18ユーロ

 伝統的ビストロ料理で人気のアスティエや、イートイン併設の総菜店ジャンヌ A、ジャンヌ Bを経営するフレデリック・ユビッグが、魚介専門店を今年3月にオープン。場所は、商店街として賑わうモントルグイユ通りから脇に入った、最近飲食店の増えているマンダール通りだ。

 グループ全店の厨房を仕切るシリルさんがメニューを構成。お皿を見たときに、使われている素材がすべて分かるようなシンプルな料理で、“タルタル”“マリネ”“フライ”などテーマに沿った一皿一皿を季節に準じて展開する。

 良心的な値段設定で、前菜には大小2つのポーションがあり、おなかの具合で選べるのも嬉しい。ブルターニュ産オマールのクロック・ムッシュには、すでにリピート客が出ているという。

左:タラのペーストが入った前菜。
右:スズキと海藻、牡蠣のタルタル。写真は小さいポーション 9ユーロ。
左:手前はアンコウのマリネ 8ユーロ
右:ボルディエのバターにカイザーのパン。
地下は貸し切りに最適。
左:フレデリック・ユビッグさん。
右:内装はジャン・ヌーヴェルの下で経験を積んだデザイナーによるもの。

La Marée Jeanne(ラ・マレ・ジャンヌ)
所在地 3 Rue Mandar 75002 Paris
電話番号 +33-1-42-61-58-34
営業時間 12:00~15:00、19:00~23:00
定休日 無休
URL http://www.lamareejeanne.com/

文=川村明子
撮影=村松史郎