ヴェルサイユ宮殿や貴族の館で働いていた料理人たちがフランス革命後に離散、パリを中心に店を開いたのが食都のきっかけとか。理由は何にせよ食い倒れの街で食べないのはソン!

 季節ごとに料理が充実しているのもフレンチならでは。軽やかなワインとのマリア―ジュにぜひトライ! 第3回目は、天気と料理にぴったりのワインセレクトで楽しめるビストロ2軒をご紹介。

» 第1回 最新ビストロへGO!「ラ・マレ・ジャンヌ」&「ブイヨン」
» 第2回 ロケーションも良し!「レ・ヴィネグリエ」&「ル・セルヴァン」

◆ L'Ébauchoir (レボショワール)

活気ある雰囲気と充実メニューにリピート必至!

ノルマンディ産豚肉のロースト 19ユーロ。

 お昼になると、界隈で働く人々がぞくぞくとやってくる。目当ては、前菜+メインで13.50ユーロからのランチだ。ポロネギのヴィネグレットソースなど定番ビストロ料理が3~4種ずつメニューに並び、週3~4日通う人も少なくない。夜はアラカルトに。パンとアイス以外はすべて自家製で、豚は一頭丸ごと仕入れ、ソーセージ、テリーヌ、ハムも作る。だから豚肉ローストのメインは、テーブルによって部位が変わることも。

左:前菜の山羊乳のチーズとハーブのパリ・ブレスト 10ユーロ。
右:パッションフルーツのチーズケーキ。マンゴーのピュレを合わせて甘みをプラス。8ユーロ。

 素材と同じく、ワインもすべて生産者から直接仕入れる。向かいにワインカーヴも経営していて、まずアペリティフをそこで飲み、食事はレボショワールへ、という常連客も多い。80席ある店内は常に活気にあふれ、まさに食堂といった趣だ。

有名なアリーグルの市場からすぐ。

L'Ébauchoir(レボショワール)
所在地 45 Rue de Citeaux 75012 Paris
電話番号 +33-1-43-42-49-31
営業時間 12:00~14:30、20:00~23:00(金・土曜 19:30~)
定休日 月曜の昼、日曜
URL http://www.lebauchoir.com/

文=川村明子
撮影=村松史郎