料理家として活躍する長谷川あかりさんが、日々の暮らしや食の記憶を綴った初のエッセイ集『タコ アボカド セロリ』(文藝春秋刊)。
夫婦円満のために大切にしていること、オーディションに落ち続けた10代の自分に伝えたい言葉、そして最近、思わずおかわりした一品まで。長谷川さんの素顔と現在地を聞きました。
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とりあえず音にしておけば、夫婦円満
――著書『タコ アボカド セロリ』には、旦那さんのエピソードもたくさん登場します。夫婦が仲良くいるために、心掛けていることはありますか?
二人とも、お互いに「やってあげたい」という気持ちが強いほうなので、それで均衡がとれているのかもしれません。あとは、ちゃんと音にしています。
――音、ですか?
「ありがとう」とか「今、すごく幸せだよー」とか、声に出して、とりあえず音にしておく。それだけで、ある程度は平和を保てている気がします。
それから、相手は自分とはまったく異なる考えを持つ人間だと、強く意識していることも大きいかもしれません。家族って、自分と他者との境界線が曖昧になりがちですよね。でも、そうなると関係がいびつになってしまうこともあると思うので。
――その考え方は、大人になってから身についたものですか?
そうですね。あとは、自分のことを好きでいていいんだと思えるようになってから、人のこともあまり気にならなくなりました。人生にはどうにもならないこともたくさんあるけれど、「まあ、しゃあないか」と思えるようになったというか。相手が共感してくれなくても、逆に自分が相手に共感できなくても、そこはそれほど重要ではないんです。
