真田広之が主演とエグゼクティブ・プロデューサーを務め、新登場の和忠役を「Snow Man」の目黒蓮がオーディションで掴んだことも話題のハリウッド製作ドラマ「SHOGUN 将軍」シーズン2の撮影が、カナダ・バンクーバーで進んでいる。
2024年にディズニープラスで世界配信されたシーズン1は、北米を中心に世界各国で大ヒット。第76回エミー賞では、ドラマシリーズ作品賞、主演男優賞(真田広之)をはじめ歴代最多の18部門、さらに第82回ゴールデングローブ賞ではドラマシリーズ作品賞、主演男優賞(真田広之)、主演女優賞(アンナ・サワイ)、助演男優賞(浅野忠信)の4部門で栄冠に輝いた。
“日本人キャスト”が“日本語”で演じる「戦国武将のストーリー」に世界が熱狂。そんな前代未聞の成功を牽引したのが、製作総指揮であり脚本も手掛けたレイチェル・コンドウとジャスティン・マークス。実生活でもパートナーである2人に、CREA WEBが単独インタビューした。(全2回の1回目/続きを読む)
原作小説のネタは使い切ってしまった
――ドラマ「SHOGUN 将軍」は、ジェームズ・クラヴェルの1975年の小説『将軍』が原作ですが、1980年にはリチャード・チェンバレン主演、“世界のミフネ”こと三船敏郎共演でアメリカNBCで初ドラマ化され、大ヒットしました。とはいえ、そのリメイク作品としてシーズン1の製作が発表されたときは、そこまで期待が集まってはいなかったように思います。でもシーズン1の大成功を経て、今回のシーズン2では言わばディフェンディング・チャンピオンです。前回とは違う種類のプレッシャーがかかっているのではないでしょうか?
レイチェル・コンドウ(以下、コンドウ) ええ、また別の問題がありますね。シーズン1では、正直言ってハードルや課題が山積みで、もうどうすればいいのかわからず、混沌としていて、何一つとして簡単ではありませんでした。でも、私はあの頃のスピリットをそのまま保ちたい。なぜならそうした課題の数々が、私たちをよりクリエイティブにしてくれたし、「枠に囚われることなく考えてみよう」と思わせてくれたから。シーズン2でも、守りに入らず、そういう精神を保っていきたいとは思っています。OK、カオスでもなんでも来い。あとは天に任せたわ!
ジャスティン・マークス(以下、マークス) 無理にカオスにしなくてもいいけどね(笑)。
コンドウ もう、すでにそうなって来てるけど(笑)。
マークス 確かにね(笑)。でも僕らは自分たちが防衛する側のチャンピオンだなんて思ったことはありません。あなたに言われてみて、そういう見方もあるのかと思ったくらい、意外でした。僕は最高のストーリーテリングは、チャレンジャーとして現実という壁に立ち向かう時に生まれると思うんです。「SHOGUN 将軍」シーズン1を立ち上げた時に、「この予算でこんな壮大な番組を作るべきじゃない」と多くの人は思っていた。それこそが壁でした。でも、僕たちは「本当に素晴らしく、本当に特別で、本当に切ないドラマを作るぞ」と奮起して、大方の予想に反して困難に打ち勝ったわけです。シーズン2も、同じです。
――最初にマークスさんのもとに原作小説が届き、脚本作りを打診されたのが2018年。そこからお二人で時間をかけて、原作の前時代的な日本描写は排し、新たな視点の「SHOGUN 将軍」を作っていかれました。そしてシーズン1の大ヒットを受けて、シーズン2の製作が決定。でも実は、シーズン1で、原作小説の内容は全て描き切っているんですよね?
マークス 「続編なんて無理だ」と他人から言われてもチャレンジをするし、自分たちができることをやるしかない。まず僕たちは、シーズン2の脚本に取り掛かる前に「こうなったらいいな」というファンタジーを想定し、うんうん唸りながらも、ひたすら話し合いました。彼女と互いに様々な考えを出し、試していくうちに、物語の鍵となる“悪役”のアイデアが浮かび上がって来たんです。
文・撮影=石津文子
