自身のInstagramで台湾での結婚を発表した和田彩花さん。先日のCREAのインタビューでは、これまで語ってこなかったパートナーとの関係や、アイドル卒業後の生き方について率直な言葉で明かしてくれました。


「書くこと」で整理された、二度のうつとアイドル時代の記憶

 アイドルを卒業後、現在は詩と言葉のアーティストとして活動する和田さん。執筆の依頼を受けた当初は、二度目のうつを発症した直後で、心身ともにどん底の状態にあったといいます。

 「連載を始めた頃は、とても悲観的でした」と彼女は振り返ります。しかし、自身の経験を言葉に紡いでいく過程で、変化が訪れます。なぜ自分はこの仕事を選んだのか、家族の中でどんな役割を担わされていたのか。客観的に過去を見つめ直すことで、苦しかった日々に対して「アイドルをやっていてよかったのかも」と、前向きな実感が芽生え始めました。

家族の中の「女王様」から、一人の「娘」へ

 アイドルの道へ進んだのは10代の頃。多忙を極める和田さんのために、両親は群馬から東京への送り迎えを繰り返しました。その陰で、妹は家で一人過ごす時間が長かったといいます。

 「妹からは『この家の女王様はお姉ちゃんだ』と言われたこともありました」。無意識のうちに家族の中心となり、リーダー的な立ち位置となった和田さん。卒業後、家族とざっくばらんに話し合える時間を経て、ようやく一人の娘として振る舞えるようになったと語ります。

 「私は勉強がしたかったのに、なぜアイドルにさせたの?」と親に問いかけたこともありました。しかし対話を重ねる中で、「最終的に辞めないと決めたのは自分だった」という主体性を取り戻すことができたのです。

「憧れの仕事」だから苦しくてもいい、という誤解への違和感

 世間には「好きで選んだ仕事なのだから、つらくても我慢すべき」という無言の圧力があります。和田さんは卒業後、海外旅行中のSNS投稿に対して「文句を言うな」というDMを受け取り、衝撃を受けたといいます。

 「アイドルとしてきらびやかな世界にいるのだから、苦しさは帳消しになるはずだと思われている」。この経験を機に、彼女は「どんな仕事であれ、労働の対価を得る権利があり、自由な意見を持つ権利がある」という信念を持つようになりました。

結婚・パートナーの存在を「ないもの」にしたくない

 そして大きな反響を呼んだのが、パートナーの存在についてです。先日結婚を発表したばかりの彼女が、なぜあえて「隠さない」道を選んだのか。その根底には、自分らしく生きるための誠実さがありました。

「知ってもらいたいというより、ない存在として扱いたくなかった。芸能人って大抵パートナーの存在を隠しますよね。でも私は、自分の気持ちを隠す必要がないって思ったんです」

 アイドルのマナーとして異性の影を隠すべきという風潮がある中で、彼女はあえて今の暮らしをシェアすることを選びました。「悪いことをしているわけではないから。昔から応援してくれているファンの方々のことは、親戚のようだと感じているので」。その報告に、ファンからは温かい反応が寄せられました。

目指すのは「脱芸能人」。誰かのロールモデルとして

 現在の彼女が目指しているのは、「脱芸能人」だといいます。「表とか裏とかいう考えを持たないようにしていて」。音楽という軸さえあれば、あとは自分らしく、正直に生きていきたい。その姿勢そのものが、アイドル卒業後の新たなロールモデルになればと願っています。

「私の生き方が選択肢の一つになればいいなと思っています。こういう人もいるんだから、自分もやっていけそうって思ってもらえたら嬉しい。心を優しく後押しするような存在になりたいです」

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本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

【#1を読む】アンジュルム時代「二度目のうつを発症し、絶望の中にいた」和田彩花(31)が、「アイドルをやっていてよかった」と思えるまで
【#2を読む】【元アンジュルム・和田彩花】アイドル引退後も「ファンは親戚のような存在」、それでも“パートナーの存在”を公表した理由

和田彩花(わだ・あやか)

1994年生まれ、群馬県出身。2009年に「スマイレージ」(のちに「アンジュルム」へ改名)に加入。グループのリーダーとして活躍したのち、2019年にアンジュルムとハロー!プロジェクトを卒業。ジェンダーや美術に関する発信を積極的に行っている。好きな画家はエドゥアール・マネ。

アイドルになってよかったと言いたい

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