僕はもう、○○○○ですね
――ありがとうございます(笑)。弊社のWEB漫画サイト「Seasons」のキャッチコピーは「春夏秋冬、恋をする。」といいまして……男女の恋愛に限らずですが、恋や愛をテーマにした作品が多いです。
おふたりは恋愛漫画は読んでいらっしゃいましたか? お好きなヒロインがいたら教えてください。……おふたりの世代だと『いちご100%』とかでしょうか。
兎 『いちご100%』、覚えてます! えー、西野かなあ。東城さんとかね、北大路さんとかね、妹キャラの南戸さんとかいましたね。キャラ名が東西南北なんですよね。
堂前 僕は……早川さんですね。
兎 誰?
堂前 『サザエさん』の。
兎 小5やん! いや小6? 知らんけど!
堂前 早川さんはね、花沢さんと、かおりちゃんと仲が良いんです。
――早川さんのどんなところがお好きなんでしょうか。
堂前 落ち着き、ですね。
兎 いや、そんな目線で見たことないから。
堂前 あと、群を抜いたショートカット。
兎 ショートカットね! なんか顔思い出してきた。え、短ければ短いほどいいの?
堂前 そんなことない。似合ってたらいいよね。
兎 まあね。ああ、ショートカットでいうと、ドラマの『梨泰院クラス』のイソもよかったっすね。主人公のパク・セロイは、学生時代からスアって子がずっと好きで。でも、また別のイソって女の子が現れて。イソはセロイにアプローチすんねんけど、まっっったく響かない。でもイソは気持ち届かなくても、セロイの復讐を手伝うって一緒にいてくれんねんな。
堂前 ほお。
兎 ただね、途中で、この揺らがなかったセロイが……揺らぐんよ。そこのシーンが、もうキュンキュンする。
堂前 「復讐はええかー」ってなるの?
兎 ほんまにそうやと思う。復讐はもちろんすんねんけど、復讐しかなかったヤツの中に、恋心が芽生える。「いっつも俺の大事な場面でそばにいてくれたのはこの子や」って。悩むけど、自分の心を言葉にするシーンがめっちゃええねんなあ。さらに、このイソって子を好きな仲間もいて……めっちゃアツいんすよ!
――ひたむきな気持ちが通じて、関係性が変わる瞬間に兎さんはグッときた、ということでしょうか。堂前さんは、何か好きな展開や関係性とかってありますか?
堂前 僕はもう「寝取られ」ですね。
兎 なんの作品のどこのシーンやねん!……おい、インタビュアーさんに「NTR」ってメモされてるぞ。確かにそう表記するけど!
――ど、どんなところがお好きなんでしょうか。
堂前 そうですね。フィクションとしての危うさもある……というか、ファンタジーっぽいけどファンタジーになり得ない……という微妙なラインがいいんじゃないですかね。
兎 まあね、不倫とかね。
復讐は新たな復讐を呼ぶだけ。それでも許せないのは――
――「不倫もの」や先ほどお話が出た『梨泰院クラス』のように、最近は“復讐”をテーマにした作品も人気です。ちなみに、弊社の『悪役令嬢のお嫁さま』という作品も、自分を辺境に追放した元婚約者の王子と実の妹に復讐を誓うヒロインが主人公なんです。
悪役令嬢のお嫁さま - かわのあきこ / 第1話 前編 | Seasons
兎 へえー!(コミックスを手に取りながら)「悪役令嬢」ってジャンルが今あるんですね。主人公がヒロインポジションじゃなくて悪役のほうなんすか。気になる!
――おふたりは、最近何か“復讐”しました?
堂前 復讐(笑)!?
兎 復讐ですか(笑)!? ああ、でもこの間タクシー乗った時なんですけど……。俺、いつも乗ったらすぐシートベルトしてるのに、「シートベルトしてくださーい」って運転手さんにちょっと冷たく言われて。マニュアルとかだろうから全然いいんですけど、「もうしてるから!」とはやっぱりちょっと思うじゃないですか。
堂前 うん。
兎 だから、もう出発してるのに「あ、じゃあ出発してくださーい」って言っちゃいました。
堂前 最悪な話ですね(笑)。
兎 言っちゃった後で、「俺、なんて小っちゃい人間なんだ……」と思いました……。
――(笑)ささやかで可愛らしい復讐?ですね。堂前さんは“復讐”は……。
堂前 いやっ、復讐はね。新たな復讐を生むだけなんで! 興味はないですね、復讐には!
兎 俺も興味ないよ(笑)!
堂前 ……でも、首領(ドン)・クリークだけは許せないですねっ!
(注※『ONE PIECE』に登場する悪役)
兎 海上レストランバラティエ編! いや、なんで(笑)? あいつそんな腹立つとこあった?
堂前 味方もいるのに毒ガスをまき散らして!
兎 「M・H・5」ね?
(注※首領・クリークが撃った猛毒ガス弾の名称)
堂前 危ないですから。
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- 文=文藝春秋コミック編集部
撮影=釜谷洋史 - keyword
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