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坂東さんが事務所の社長に「褒められた理由」に一同驚き?

坂東 アハハハハ! (事務所の)社長にも言われた。試写が終わって「あなたはよく頑張った。よくあんな黙っていられた」と。「あ、そこなんだ⁉ 褒めポイントは!?」って思ったな(笑)。

清水 普段の坂東龍汰と渉を足して二で割れば(口数が)ちょうどいい(笑)。

 僕も光則と自分との共通項探しはしました。斜に構えるじゃないけど、物事を俯瞰して見る部分は、特に若いときは自分もあったように思うので。

坂東 そりゃあるよね。とんがりコーンの時期は。

清水 「大人なんて馬鹿だ」と思っていたから。でも今は「自分はなんて子供だったんだろう」と思う。そういうところから考えていって、最終的にはこの2人がありきでした。実際に3人でお芝居をしながら、2人に対して光則がどこにどういるべきかを考えました。

坂東 ポジショニングね。

清水 そう。だから3人で歩くだけのシーンでも面白かった。

髙橋 僕はニノさん(二ノ宮監督)と5年前に舞台でご一緒して、「いつか映画を撮ろうね」という話をしていました。実現しないかも、と思い始めたとき、『若武者』の話を聞いて。僕の人間性みたいなものを面白がってくれたのがニノさんだけだったので、それに応えたくて、自分と向き合うために中学校とか思い出の場所に出向いて昔の記憶に触れて、英治の台詞と自分の考えをどんどん混ぜていきました。

――脚本を読んで「英治は自分だ」と思いましたか?

髙橋 いや、思わなかったんですけど……。みんなは「これ(英治)は里恩だよ」って。

坂東 いやマジで里恩だよ。

髙橋 ……理屈っぽいところが、だろ(笑)?

坂東 そう(笑)。撮影中はだいぶそうじゃなくなっていたから、僕は「英治は理屈っぽかった頃の里恩でいいんじゃない?」と言ったくらい。

――お2人の付き合いはどれくらいになりますか?

坂東 そんなに頻繁に会うわけではないですが、知り合ってから7、8年ぐらいになります。昔、同じ居酒屋さんで一緒にアルバイトをしていたんですよ。

2024.05.25(土)
文=須永貴子
撮影=榎本麻美