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どうしても甘みが欲しいなら、より栄養価の高いもの、より質のいいものを選ぶ

 どうしても、というときは甘いものを食べてもOK、と心強い言葉を聞けましたが、とはいえ欲望のままに毎日、毎食後と甘いものを食べていたら、そうスムーズに痩せないだろうということはわかります。

 どんな風に甘いものを取り入れているのかもおふたりに伺いました。

 本島さんは、「甘いものの中でも和菓子、特にあんこが大好き」なのだそう。

「甘い味が欲しい、という欲求を無理に抑えるのではなく、甘い味が欲しいなという時は、まず洋菓子より和菓子を選ぶようにします。また買うのではなく、自分で作ることもあります。スライスしたさつまいもをココナッツオイルで焼いて、ほんの少し塩をまぶして食べたりしています。

 アイスクリームがどうしても食べたくなったら、アイスではなく冷凍のフルーツをチョイスします。もちろんアイスを食べることもありますが、ラクトアイスではなく、アイスクリームと表示のあるものを選ぶようにしています。

 “甘いものは我慢!”ではなく、食べたいなと思ったら、より栄養価の高いもの、より質のいいものを選択するようにしています」(本島さん)

 櫻井さんもオススメするのは、いわゆるお菓子以外の甘い味の食べものです。

「例えばナツメやクコの実といった、中医学の観点でもおすすめのおやつがあります。最近は輸入食品店やオーガニック食品のスーパーなどで取り扱いがあるので、選択肢の一つに入れてみてください。

 また、黒ゴマペーストにハチミツを混ぜると和菓子のような風味になり、そのまま食べるととてもおいしいです。

 果物も積極的に食べてほしいのですが、いつも同じ果物でなく、その時期ごとに旬の果物を選びましょう。また、梨、柿、りんご、バナナなどは、ぜひ“焼いて”食べてみてください。物理的な冷たさがなくなりますし、水分が飛んで味が凝縮するので、甘みも強く感じられます」(櫻井さん)

 「でも私甘いもの中毒だから、できるかな……」と不安な人には、本島さんの実践した方法をご紹介します。

「“明日から甘いものは一切やめる!”という極端な決意をするのは、実は逆効果かも。私も過去に何度もそんな決意をしましたが、想像以上に心と体が負担を感じて、そのうちドーンと反動が来て、暴食の引き金になってしまいました。

 おすすめしたいのは、“いきなり全部やめる”という極端なことを自分に課すのではなく、“少しずつ調整しながら変化させていく”ことです。“1~3割変化させる”。

 例えば以前の私はカフェラテの中毒で、コンビニの甘い甘いカフェラテを1日3杯は飲んでいたんです。それを“ある日からやめた”のではなく、まず店頭で何種類もあるカフェラテの原材料を見比べて、乳化剤などの添加物や糖質量が少ないものに替えたり、小さなサイズを買うようにしました。その後自分で作るようになり、砂糖ではなくハチミツを入れて好みの甘さにしていました。

 お店で買う場合は、甘さを調整できるカフェラテに変えてみました。そうしているうちに、毎日買わなくてもすむようになっていたんです」(本島さん)

 ここまで行けたから、次はこれをやってみよう、これもできたらから、じゃあ次はこっち……と、目標は低くして、無理せず少しずつ変化させるよう考えてみるのがコツなんですね。

 「甘いものがやめられなくて……」とお悩みの方、ぜひ参考にしてみてください。

櫻井大典さん(写真右)

漢方家。漢方コンサルタント。国際中医専門員。日本中医薬研究会会員。カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後は中医学を学ぶ。中国での研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。学んだ中医学の食養生を実践してみたところ、1年で10kgやせて、その後リバウンドもしていない。Twitter(X)で発信されるやさしいメッセージと、簡単で実践しやすい養生法も人気。
Twitter(X):@PandaKanpo

本島彩帆里さん(写真左)

ダイエット・セルフケア美容家。心も体も不安定な万年ダイエッターから、カウンセリングや妊娠出産をきっかけに、心身とも健康的に1年3か月で20kgやせる。痩身サロンでセラピストとして女性の悩みに寄り添いサポートをしてきた経験を活かし、ダイエットや美容情報、ライフスタイルを発信。無理のない心と体のセルフケアが幅広い層に支持されている。著書は累計43万部超で、Instagramのフォロワー数は23万人を超える。
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2023.11.09(木)
文=斎藤真知子