ガヴィ・ラ・スコルカ ブラック・レーベル 2022 ヴィンテージ 8,800円。

 夜更かししてテレビの前で熱狂したパリオリンピックが幕を閉じ、日本ではお盆休みもおわり。みなさん通常運転に戻りつつある日々でしょうか。

 今年は8月7日が立秋でした。まだまだ暑さが続く今日この頃、暦の上では秋はすでに始まっているという事実は受け入れがたいですが、きたる秋に向けて季節は静かに移り替わっているようです。

 今回はイタリア北部に位置しています、ピエモンテ州についてご紹介いたします。

 ピエモンテとはラテン語で「山の麓」を意味していて、その名の通りアルプスの南側に広がっています。北はスイス、西ではフランスと国境を接していて、慣習、文化にはフランスの影響が色濃く根付いており、食文化も例外ではありません。冬場は寒く、雪もしっかりと降ります。2006年にフィギュアスケートの荒川静香選手が金メダルを獲得したトリノオリンピック。この州都・トリノがあるのが、ピエモンテ州です。

キャプ:ピエモンテ州。

 州都トリノは、1861年に国家統一が行われて「イタリア王国」が誕生した時の首都でした。(1865年に「イタリア共和国」となり、首都はフィレンツェに移動。現在の首都はローマ。)

 北と西にはアルプス、南はリグリア・アペニン山脈がそびえたち、三方を屏風のように囲まれた州です。世界遺産にも登録されているランゲ、ロエロ、モンフェッラートの丘陵地帯ではブドウ栽培が盛んにおこなわれています。

ランゲ地方のブドウ畑。

 丘陵地帯の谷間では、ヘーゼルナッツが栽培されていて、ピエモンテ州の名産となっています。日本でも輸入食材店などで見かけるヘーゼルナッツ入りのチョコレートは、当時高価だったカカオの代わりにチョコレートに入れたのが始まりとされています。

ヘーゼルナッツの木。
ヘーゼルナッツのチョコレート。

 チーズや肉、野菜などの具材を包んだパスタであるラヴィオリも、ピエモンテ州で生まれたとされています。ピエモンテ州南部のガヴィ村に住むラヴィオーロ家は宿を営んでおり、宿泊しているお腹を空かせた商人たちに満足してもらうためにラヴィオリを提供したところ、とても美味しいと人気になったそうです。

ラヴィオリ。

 ラヴィオリが生まれたガヴィ村。みなさん、この村のことはご存じですか?

 冒頭にも少しお伝えしましたが、ピエモンテ州はブドウ栽培が盛んな地域であり、世界的に有名な高級ワインが数多く造られている場所です。

 「バローロ」「バルバレスコ」。赤ワインが好きなら馴染みのある単語ですよね。ピエモンテ州のワインというと、この2つの赤ワインがあまりにも有名で、白ワインの印象がほとんどない方も多いかと思いますが、実は、ピエモンテ州には白ワインにおいても世界中から人気を博しているものがあるのです。

 それがガヴィ村で造られる「ガヴィDOCG」です。

ガヴィDOCG。

 ガヴィの誕生には南に隣接するリグーリア州にある港町・ジェノバが大きく関わっています。19世紀、ジェノバは海洋王国として栄えており、富裕層が多く住む地でした。彼らの別荘地としてガヴィ地域が人気になると、地中海沿岸の魚介中心の食文化も持ち込まれるようになり、それに合わせるための辛口ワインとして、コルテーゼという土着の白ブドウ品種を使用したワインが造られるようになりました。

 コルテーゼは、ピエモンテ州南部で栽培されている白ブドウで、一般的には早飲みのワインが造られます。実際にガヴィと検索すると1,000円台~売られているものもあり、「コルテーゼを使ったワイン=シンプルで手軽な白ワイン」の印象が強いかもしれません。

 しかし、ガヴィはそうではなく、ガヴィDOCGの地域は地中海の影響を受ける温暖な気候で、コルテーゼが完璧に成熟することで非常に秀逸なワインが生まれます。

コルテーゼ。

 1960~1970年代にガヴィは大ブームとなり、生産量が急増しました。それによって品質が低下してしまい人気が低迷した時期もありましたが、現在では本来の品質を取り戻しています。

 そんな高品質なガヴィを造る生産者として世界中で評価を受けているのが、ラ・スコルカです。

 1919年創業。105年もの間、変わらずに素晴らしいガヴィを造り続けている伝統あるワイナリーです。ガヴィは1974年にDOCを取得し、その後1998年にDOCGを取得しました。これにはラ・スコルカ社の長年の功績が大きく影響を与えています。

ラ・スコルカのブドウ畑。

 家族経営で伝統を守り続けているラ・スコルカ。現在は4代目であるキアラ・ソルダーティが会社の経営をになっています。

オーナーファミリー。中央左がキアラ・ソルダーティ氏。

 ワイナリー名のラ・スコルカ(La Scolca)は、ピエモンテ州の古い方言「Sfurca(遠くを見る、注意深く見る)」に由来しています。イタリアには数えきれないほどのワイナリーが存在します。規模の大小に関わらず、何かをやり続けるということは簡単なことではなく、ワイン造りもまた例外ではありません。時代や環境が変わり続ける中、確固たる地位を築いてワイナリーが続いているのは、ラ・スコルカ社が常に未来を、遠くを見続けて変化し続けたからこそ成しえたと言えます。

ラ・スコルカ。

 ラ・スコルカはコルテーゼを使って複数のワインを生産していますが、フラッグシップは「ガヴィ・デイ・ガヴィ ブラック・レーベル」です。

ガヴィ・デイ・ガヴィ ブラック・レーベル。

 ラ・スコルカのガヴィは、コルテーゼを使った早飲みワインとは一線を画します。ブラック・レーベルに使われるコルテーゼは、樹齢60年以上のブドウの木で、ブドウ畑はガヴィDOCG生産エリアの中でも最もコルテーゼの栽培に適していると言われる「ロヴェレート」エリアに位置しています。粘土石灰質の土壌と南向きのこの畑で育ったブドウだからこそ、秀逸な白ワインであるブラック・レーベルを造ることができます。

ミネラル感豊富なガヴィは今の時期にピッタリです。

 コルテーゼの特徴であるしっかりとした酸と豊富なミネラル感をしっかりと感じられ、他のガヴィと比べると圧倒的な凝縮感が印象的です。アーモンドやナッツを思わせる余韻を持ち、オレンジやライムなどの柑橘系の香りも感じられます。芳醇なフルボディのガヴィは、魚介類との相性が非常に良いです。牡蠣やカニとの相性も抜群です。日本人としては、寿司とのペアリングも是非みなさまにお試しいただきたいです。

 フランスの偉大なワインに引けを取らないクオリティを持つ白ワインであり、実際に数多くのインターナショナルホテルや有名レストランでもこのワインが採用されていて、たくさんのお客様に楽しまれているワインです。

 まだまだ暑いこの時期、夏休みの心地よい疲れを美味しい白ワインで癒してください。

●日欧商事株式会社

https://www.jetlc.co.jp/

●高品質なイタリア食材とワインのオンラインショップ “ITALIAKARA”

https://italiakara.myshopify.com/

概要

応募期間 2024年8月23日(金)~2024年9月22日(日)23:59
賞品 ガヴィ・ラ・スコルカ ブラック・レーベル2022ヴィンテージ 750mL 8,800円。
当選人数 2名様
応募方法 下のボタンより応募フォームにお進みいただき、必要事項をご記入の上、ご応募ください。
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