観ている人にいかにキュンとしてもらえるか

――今春に「Seventeen」専属モデルを卒業し、女優としてのキャリアは10年以上になりました。

 振り返ると、これまで個性的なキャラを演じることが多かったですが、高校を卒業してからは、ヒロイン役が増えてきました。この年齢になって、ようやく制服を着て、青春に重点に置いた学園モノをやらせていただいてますね。

 今、まさしく“初めての青春”を味わっている気がして。新たな経験をしながら、毎日毎日、新鮮な気持ちで演技をしています。「いかに観ている方にキュンとしてもらえるか」に視点を置いたことで、これまでとは違った表現になると気付いたのも大きいですね。

――20歳になられた2022年末には、ドラマ「silent」で目黒蓮さん演じる主人公の妹・萌を演じられました。ご自身の中で変化はありましたか?

 特にないんです。自分自身としては「周りの評価に影響されていないな」と思っています。「とても話題性のある作品に出演させていただいた」という気持ちです。

 20歳を迎えての大きな変化は、お酒を飲めることになったことぐらいでしょうか(笑)。ひと通り何でも飲めるのですが、引き込もりな性格なので、誰かと飲むようなことがないんです。次の日、仕事がお休みで、心にゆとりがあるときだけ家族とちょっとだけ嗜む感じです。

――アニメや漫画などがお好きと聞きました。最近沼にハマった作品は?

 最近は忙しくて、沼にハマる機会がなかったのですが、好きなモノに対してはまっすぐに行くタイプです(笑)。そういえばアニメの『進撃の巨人』を改めて第1話から見返しました。「Final Season」に向け、しっかり伏線回収をしたかったんですよね。見たのは2周目だったのですが、いろいろなシーンで何回も鳥肌が立ちましたし、改めて気付かされることも多かったです。あとは、配信サイトで『ガンニバル』や私の好きなハン・ソヒさんが出た『サウンドトラック#1』などのドラマも見ました。

――「19時以降に食事をしない」「毎日1.5リットルの水を飲む」など、コンディションをストイックにケアされてます。

 ドラマの撮影に入ると、1クール、2ヶ月半の間、体重や見た目を維持しなくてはいけないので、決まり事がないと、体がぜんぜん変わってきちゃうんです。いろんな雑誌で読んだり、いろんな方の話を聞いたりしたものを一度試行錯誤して、自分に合ったベストなものを編み出していきました。ただ、それは仕事をしているときだけで、仕事がないときは好きな時間に好きなものを食べています。

――新たに始めてみたいことはありますか?

 基本的に休みの日は家にいるので、身の回りの充実を求めて、部屋の家具を新調したいです。今だに小学生の時から兄と使っていた二段ベッドで寝ていて、今の部屋だとモチベが上がらないんですよ(笑)。

 アンティーク家具を置くとか明確なスタイルはないんですけど、自分の好きな色で統一したいですね。すごくお金がかかるので、それを目標に仕事を頑張りたいです!

桜田ひより(さくらだ・ひより)

2002年12月19日生まれ。千葉県出身。14年、ドラマ「明日、ママがいない」で注目を浴び、18年『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』で映画初主演。その後も幅広いジャンルの作品に数々出演。22年放送のドラマ「silent」では萌役を演じたほか、23年7月には映画『交換ウソ日記』の公開も控える。

映画『雄獅少年/ライオン少年』
2023年5月26日(金)全国ロードショー

出稼ぎをする両親を待つ、広東の田舎で暮らす少年チュン(声・花江夏樹)はある日、自分と同じ名をもつ獅子舞の演者の女の子(声・桜田ひより)と知り合い、獅子舞の世界に憧れを抱くように。そして、仲間とともに町一番の獅子舞の踊り手だった干物屋の店主チャン(声・山寺宏一)に師事し、獅子舞の演者として成長していく。

声の出演:花江夏樹/チュン、山口勝平/マオ、落合福嗣/ワン公、桜田ひより/少女チュンほか
https://gaga.ne.jp/lionshonen/

2023.05.26(金)
文=くれい響
写真=鈴木七絵
スタイリスト=前田涼子
ヘアメイク=菅井彩佳