この数年、時代や世の中の変化をひしひしと感じている人は多いでしょう。未来に思いを馳せるとき、不安に駆られたとき、私たちは「占いの世界」をのぞいてみたくなります。

 占星術は大昔から、天上の星々と地上の出来事や人間の運命を、“星の言葉”を使って伝えてきました。では2023年にはどんな星の動きがあるのか。まず大きな時代の流れを作る天体の動向から説明してみましょう。

 過去には世界を揺るがす大きな変化が

 2023年最大のトピックは「死と再生の星」と呼ばれる冥王星が3月23日(木)夜に水瓶座に入ることでしょう。冥王星は太陽を一周するのに248年かかります。過去にこの天体が水瓶座にいた期間は、1778年~1798年で、アメリカ独立戦争やフランス革命など、世界中で大きな変化がありました(※アメリカの独立宣言は1776年から始まりましたが、実際に勝利を収めたのは1781年。1783年にイギリスとの間でパリ条約が締結。それによってイギリスからの独立を承認されました)。

 民主主義の頂点と言われるアメリカ憲法は、この間に書かれました。憲法の最初の言葉「We the People-私たち国民」は、とても水瓶座的な表現です。水瓶座は自由・平等・博愛精神をモットーとしているからです。王や統治者や政府などではなく、一人ひとりが自由と平等の下に、利益と幸福を追求できる社会をめざすという理想が語られています。

 実は冥王星が発見されたのは1930年のこと。18世紀を揺るがす戦争や革命が勃発したときには、まだその存在は知られていませんでした。しかし“見えないけど彼方に存在する”天体として、冥王星は人々の無意識に世界の刷新を促したと考えられます。

 過去の二つの革命が成し遂げられたときと同じ冥王星の配置となる2023年春以降、かつて権力者がトップダウンで決めていたことを、私たち一人ひとりがボトムアップして、よりよい社会の再編成を担うことになるでしょう。

 ネットとソーシャルメディアは水瓶座が支配するもの。水瓶座に入った冥王星は、情報やあらゆる資源、エネルギーが必要な場所に分散されるように促しますが、その方法はかなり過激です。

 社会の中で機能しなくなったものを、容赦なく明るみに出して一掃しようとするのです。その過程で、私たち個人にも冥王星の刷新力が向けられます。

 自分の中の腐敗したものを明るみに出し、いったん、ゼロになって再生する覚悟が求められます。

2022.12.25(日)
文=岡本翔子
イラストレーション=INEMOUSE