ジビエ、チーズ、地元野菜勝沼の“その日”を一皿に

◆Hérisson d’un jour(エリソン・ダン・ジュール)

 標高約600メートル、甲州市勝沼町の渓流と雑木林に囲まれたレストラン。

 ここで味わえるのは、地元の食材と自家製のチーズや生ハムなどを使ったフランス料理。腕を振るうのは中村裕シェフだ。

 「その日にある食材で作るので、日によってメニューが異なることも。自由に楽しく料理しています」(中村さん)

 庭の自家菜園には、雑草に守られてズッキーニ、枝豆、ナスタチウムなどが育ち、山桑、木苺、山椒、カキドオシ等の野草も季節の味わいに。

 飼っている山羊のミルクは夏から秋の約4カ月、一日150グラムほどのフレッシュなチーズに加工して供される。

 11月~2月の猟期には、狩猟免許を持つ中村シェフが撃ったキジ、キジバト、マガモ、タシギなどがジビエ好きを唸らせる。2年半かけて熟成させる生ハムが味わえるのは夏から秋にかけて。

 ご近所のドメーヌ・オヤマダ、ドメーヌ・ポンコツ、共栄堂のワインは、中村シェフの料理とともに味わえるだけでなく期間限定で購入も可能。土地の恵みに溢れたレストランだ。

Recommended Bottles

〈左〉「ジャロピー」(甲州、デラウエア、シュナンブラン/ペイザナ農事組組合 中原ワイナリー ドメーヌ・ポンコツ)。
〈中〉ご近所にある2つのドメーヌのワインを扱う。樽発酵後に瓶内二次発酵させた「祝」(デラウエア、甲州、プティ・マンサン/ペイザナ農事組合 中原ワイナリー ドメーヌ・オヤマダ)。
〈右〉「ラ・フロレット スミレ・ルージュ キュベ・エルヴァージュ 2017」(メルロー/奥野田葡萄酒醸造)。同じ土地で育った野菜や肉と相性がいい。

Hérisson d’un jour(エリソン・ダン・ジュール)

所在地 山梨県甲州市勝沼町中原5288-3
電話番号 0553-39-8830
営業時間 11:30~13:30 L.O.、17:30~21:00 L.O.  
※ランチ 3,300円~、ディナー 5,500円~ともに要予約。グラスワイン 550円~、ボトルワイン 2,800円~。
定休日 不定休
https://herisson-koshu.com/

2022.07.15(金)
Text=Motoko Saito
Photographs=Takashi Shimizu、Wataru Sato、Nanae Suzuki

CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

日本のワインとご馳走に心躍る テロワールを訪ねて Terroir  Journey!

CREA Traveller 2022 vol.3

日本のワインとご馳走に心躍る テロワールを訪ねて Terroir Journey!

特別定価1,500円 (税込)

「CREA Traveller」2022 vol.3の特集は、「日本のワインとご馳走に心躍るテロワールを訪ねて」。日本には、その土地を訪れなければ出合うことのない美味や風景、文化があります。その風土だからこそ育まれた“土地の恵み・テロワール”は多彩で趣深いもの。唯一無二の味に出合う旅へ、ご招待。