都心から関越自動車道を1時間ほど走ると、緑豊かな山々に囲まれた長閑な町、埼玉県ときがわ町に到着する。

 ここに、日本初の“キャンプ民泊”をコンセプトとする施設「NONIWA」があるのをご存じだろうか? “キャンプ民泊”「NONIWA」は「キャンプを始めてみたいけど……」と悩む人にとって最適の施設。

 そんな多くのキャンプ初心者をデビューさせてきた「NONIWA」の魅力をご紹介。


都会と程よい距離感で憧れの田舎暮らしへ

 2019年に、オーナーである青木夫妻によってオープンした「NONIWA」。もとは会社員として東京都内で暮らしていた二人が、そもそも埼玉のときがわ町でキャンプ施設を営むことになったのはなぜだろうか。

「お互い30歳になったのを機に、将来どうしていこうかと話し合ったんです。仕事は楽しいけど、同時にかなり忙しい毎日を送っていて、ずっとこのままの生活を続けていくのでいいのかなって。それで東京で頑張る日々を続けていくより、いつかやりたいと思っていた田舎暮らしを今やってみるのはどうだろうって」(江梨子さん)

 そうして移住を決意し、東京からそんなに遠くない場所で自然の多いところを探したどり着いたのが、ここときがわ町というわけだ。移住者にやさしい町というのも、2人の決意を後押しした。

 ときがわ町に居を構え、キャンプ民泊をスタートさせた後もしばらくは、週2~3ペースで前職の仕事を続けていた達也さん。コロナ禍で広がった多様な働き方は、都心から程よい距離の田舎暮らしにフィットしたようだ。

手ぶら&安心して楽しめる初心者のためのキャンプ場

 「元々、家族がキャンプ好きで小さい頃からアウトドアには馴染みがあったけど、結婚を機に2人でキャンプを始めようとしたら、昔とは道具事情がかなり変わっていてイチから調べなければいけなかった。それはそれで楽しかったけど、相談できる人がいれば全然違ったよなって感じました。

 あと、友達が始めたいと言って一緒にキャンプに行く機会があったんですが、私たちにとっては当たり前になっていたことが友達には新鮮だったようで、すごく喜んでくれたんです。そのとき、今まで仕事も別々だったし、共通の趣味もなかった私たち二人が、誰かを喜ばせることができるんだって気付いて。この原体験を仕事にしたいと始めたのがNONIWAなんです」(江梨子さん)

2022.05.12(木)
文=平野美紀子
撮影=深野未季