長所尽くしの桐材と熟練技で
伝統の桐箱をアップデートさせる
◆曙工芸
桐箪笥に代表される桐という素材は防虫効果が高く、湿気の吸収と放出の調整に優れている。湿度の高い日本では、昔から大切なものは桐箱に入れて保存し、贈りものも桐箱入りだと付加価値が高まることが広く知られている。
プロジェクトボレーガのデニムも桐箱に入れて納品されるが、この桐箱を製造するのが、2021年で創業50年を迎えた曙工芸だ。
代表の桑田真由美さんは暮らしの中で桐箱をいかに活用するかを日々考え、今までにも多くのアイテムを商品化し、ヒットさせてきた。たとえば湿度や臭いを嫌うコーヒー豆を入れるケースや、カビを防ぎ風味を保ちたい食パンを収納するブレッドケースなどは、料理教室の講師からの口コミで広まったもの。
また、乳歯収納ケースは、抜けた歯のかつての処理法が住宅事情により変化してきているのを捉え、さらに乳歯が再生医療に使えるという研究の進化にも着目して商品化した。
桐箱製造工場では、国内の有名ブランドやショップの文字が入った様々なサイズ・形の桐箱が作られていたが、重要な工程は熟練の職人が担う。
常にアンテナを張る桑田さんの元には海外のハイブランドからのオーダーも飛び込み、軽くて高級感のある桐を材に、次はどんな商品が登場するか楽しみだ。
曙工芸
所在地 広島県福山市新市町上安井368-1
電話番号 0847-51-5215
https://www.kirihako.com/
※桐箱のブランド名はピアパッコ
販売は「桐箱屋さん」で検索
文=CREA編集部
撮影=佐藤 亘