今年5月、B'z・稲葉浩志さんのオフィシャルサイト「en-zine」にて公開された対談ムービーが、大きな話題を呼びました。

 その対談のお相手は、なんとMr.Children・桜井和寿さん。

 1988年結成のB'zと1989年結成のMr.Children。約30年間、日本のロックシーンを牽引し続けている両バンドのフロントマン同士による、夢の対談が実現したのです。


桜井和寿×稲葉浩志 70分を越えるロング対談

 『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)などの音楽番組で共演した際に、会話を交わすことはあったそうですが、こういった形で本格的に対談をするのは初めてとのこと。73分にも及ぶこのムービーは、「桜井和寿 × 稲葉浩志 / Vocalist対談」というタイトルでYouTubeにも転載されており、約389万回(7月24日現在)という驚異的な再生回数でバズッています。

 二人は終始なごやかなムードで、喉のケアの方法やステージ前のルーティン、またミュージシャンになっていなかったら? といったファン垂涎のトークを展開。なかでも恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーでもある筆者が非常に興味深く感じたのは、両バンドの作詞を担当している二人が詞の作り方について語り合うシーンでした。

 どんな貴重な会話が交わされたかは実際にこの対談をご覧いただくとして、今回は稲葉さんと桜井さんが綴る悲恋ソングの詞について考察したいと思います。

 テレビ番組や映画、CMなどでタイアップされることが多いため、大多数の人が両バンドの代表曲はご存知のはず。ですが、アルバムまでフォローしていないライト層の方々は、B'zとMr.Childrenに未練たらたらの失恋ソングやただれた関係の浮気ソングがあることを、知らない人は意外と多いのではないでしょうか。

 “恋愛”を生業にしている筆者には、直球のラブソングではなくそういった女々しい男視点の世界観のほうが、心の琴線にふれるのです。ではここからは稲葉さん、桜井さんが生み出した悲恋ソングを、歌詞の一部を引用しながら紹介していきましょう。

2021.08.02(月)
文=堺屋大地