Q.同じ内容の悪夢を見てしまいます……。解決する方法は?

A.「夢には意味がないんです! ですので、心配する必要はありません。

 体が緊張していると、深く眠れずに夢を覚えている、ということも。そんな時は、交感神経と副交感神経をコントロールする自律訓練法を試してみるのもひとつ。

 体の隅々に意識をむけながら、重さや温かさを感じていくというイメージ法です。自律訓練法ガイドは、YouTubeなどでも紹介されています。体の力が抜けていき、リラックスできますよ」(三橋さん)

Q.もっと寝たいのに、途中で目覚めてしまう……。

A.「途中で目が覚めてしまう人は、まずお酒の飲みすぎを疑ってみて下さい。

 お酒を飲むと、こてっと寝落ちできると思っている方も多いのではないでしょうか? 確かに寝付きは良くなりますが、アルコールが分解された後に交感神経の活動が高まって、途中で目が覚めて眠れなくなります。

 また、アルコールによって筋肉が緩んで気道が狭くなるので、呼吸量が減って疲れが取れません。お酒を飲むと、睡眠の質は確実に下がってしまうのです。

 そうはいっても毎晩のお酒が楽しみ! という方は、お酒の量を半分にしてみてください。それだけでも熟睡感が高まります」(三橋さん)

 ビールに含まれるギャバは神経を落ち着かせる働きがあるため、アルコールのデメリットがないノンアルコールビールは“熟睡”に一役買ってくれるのだそう。お酒と上手に付き合いたいものですね。

「あと、カフェインの摂りすぎ、ということも考えられます。カフェインは交感神経を刺激して目を覚まさせる覚醒作用が。また、血管をぐっと収縮させる働きもあり、摂りすぎるとリラックスしにくくなってしまいます。

 私は16時以降は摂らないようにしていますが、摂取時間だけでなく、総摂取量が多いと睡眠が浅くなるとの報告も。“熟睡”には、コーヒーなら1日、1~2杯がおすすめです」(三橋さん)

 また、タバコも同じ理由から就寝前1時間は吸わないようにするのがベスト。

「タバコの覚醒作用は1時間程。喫煙者は吸わない人に比べて、深い眠りが減り、睡眠全体が浅くなってしまいます」(三橋さん)

2021.04.30(金)
文=古澤朋美
イラスト=naohiga