③ポレポレ東中野<傑作の夜>開催!
夜、映画館で気持ちのいい映画を観た時の充実感。帰り道、寝床の中、何度も反芻して作品を振り返りながら眠りにつく、そんな幸せな体験を映画好きなら何度も体験したことがあるはず。
都内でも屈指の名シアター・ポレポレ東中野では<傑作の夜>と題して、これまでレイトショー上映をしている中でロングラン公開した傑作群から5作品をピックアップして4月3日(土)~30日(金)まで連続上映します。
どれももう一度観たい&観てみたい作品ですが、個人的に見逃せないのは17日(土)から上映される山中瑶子特集。なんだかしょっちゅう山中瑶子監督をパワープッシュしていますが、『あみこ』『回転てん子とどりーむ母ちゃん』は感激しました。メビウスの輪を歩くようなアンビバレントな映像世界からは自分では消化しきれないほど沢山の問いのシャワーが降り注いできます。何より映像がカッコいい!
『魚座どうし』はまだ観ていないので、この機会に映画館でガッツリ鑑賞したいと思います。
データで何度も観れる映画も、映画館に行くことでそれは代替できない一度限りの貴重な体験へと変貌します。魅力溢れる映画だからこそ、魅力的な映画館で鑑賞する。そんな1日を<傑作の夜>で体験してみませんか。
ポレポレ東中野
所在地 東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ東中野 坐ビル地下
◆上映スケジュール
『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』
上映期間 4月3日(土)~9日(金) 20:00~(終映21:40)
料金 1,300円
『夏の娘たち~ひめごと~』
上映期間 4月10日(土)~16日(金) 20:00~(終映21:25)
料金 1,300円
『あみこ』『魚座どうし』
上映期間 4月17日(土)~23日(金) 20:00~(終映21:45)
料金 1,500円 ※2本立て
『親密さ』
上映期間 4月24日(土)~30日(金) 18:00~(終映22:35) ※途中休憩あり
料金 1,800円
https://pole2.co.jp/
④劇団競泳水着の公演を観る
物語性の高い、映像的な構成の恋愛ドラマやミステリーを数多く上演してきた劇団競泳水着。
恋愛群像劇を中心に、作風の幅を広げながら、現代の人間関係を様々な角度から描く物語を創り続けています。
実に5年ぶりとなる本公演『夜から夜まで』が5月12日(水)から下北沢 駅前劇場で上演されます(チケット発売は4月4日から)。今回の作品は“ぐずぐず系・恋愛群像劇”。
「2020年」という大きな変革に向き合わなくてはならない1年の前後で、人と人との変わる関係、変わらない関係を描いています。
「恋愛の定義やそれにまつわる価値観は更新され続けてきましたが、昨年(2020年)で、人と人との『出逢い』や『距離』についての感覚は、圧倒的、強制的に変化させられました。『そんなときに恋愛の芝居なんて成立するのかーい。キスシーンいれたかったぜ』などと嘆く一方で、『いや寧ろ新しく普遍的な何かを描けちゃったりして』という下心もムクムクとわいてきました。要するに、これが今、僕がやりたい芝居です」(主宰・上野友之)
4月にも6団体プロデュース「1つの部屋のいくつかの生活」に『月にいるみたい』で参加する予定で、こちらも劇団競泳水着らしい、人と人との関わりを巡る作品となっています。
コロナ禍を経て、知らず知らずのうちに変化をしている自分がいると感じるあなた。劇団競泳水着の“ぐずぐず系・恋愛群像劇”を観てみれば、新しい何かが見えてくるかもしれませんよ。
劇団競泳水着
オフィス上の空プロデュース 6団体プロデュース「1つの部屋のいくつかの生活#3」参加作品『月にいるみたい』
日時 4月10日(土)~17日(土)
会場 吉祥寺シアター
所在地 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-33-22
※詳細の公演情報はHP(https://note.com/kyoueimizugi/n/n156dbe76b956)参照。
料金 前売 4,200円、当日 4,700円
※1ステージで2団体鑑賞可能。PandemicDesignに続いての上演です。
『夜から夜まで』
日時 5月12日(水)~5月16日(日)
会場 下北沢 駅前劇場
所在地 東京都世田谷区北沢2-11-8 TAROビル
タイムテーブルはHP(http://k-mizugi.com/yorukarayorumade/)参照。
料金 前売 3,800円、当日 4,000円
※25歳以下(枚数限定/要証明) 2,800円
※5月13日(木)19:30公演は「生配信+アーカイブチケット」(2,500円)も販売。公演終了後2週間(5月27日[木]19時半まで)は、何度でもアーカイブ視聴が可能。
⑤私たちが知らない、現存する最後の土葬の村の記録
人の死を弔うための儀式、葬儀。
このコロナ禍において葬儀の形は変化してきています。昨年、祖母を亡くしたのですが、その際の葬儀は、極力人を招かず本当に最小限の人数で行われました。かつてのように、著名人の葬儀が大きな葬儀場で行われ「お別れの会」のような形で一般の人も参加し、故人を偲ぶという光景を見られるようになるのは、随分遠い将来のような気がします。
そんな中、今まさに消滅しようとしている“日本の土葬”に焦点を当てたのがこの『土葬の村』です。多くの人が意識したこともなかったであろう土葬が、ほんの何十年か前までは一般的な地域も数多くあり、今でもわずかながら土葬の習慣を残す地があるというのは、単純に驚きであり、人の弔うということの行為を改めて考えさせてくれます。
土葬を行うということは、その家族や親族、共同体の人が直接遺体を棺に入れ、送るということでもあります。彼岸と呼ぶにも遠すぎるような感触しかない現代の“死”と、土葬の習慣が息づく村の“死”は捉え方が大きく異なっているのではないか、そんなことを考えさせられます。
日本は広く、文化や捉え方はさまざまであるとも気づかされます。土葬が禁じられているわけでもないこの現代でなぜこれほどまで土葬が行われていないのか、そもそものそんな話から面白い1冊です。
『土葬の村』
高橋繁行 1,100円 講談社現代新書
Column
週末何しよう? 過ごし方5選
興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。
もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。
2021.04.01(木)
文=CREA編集部