海に近いからこそおいしい農作物ができる

 【海の京都】といっても、おいしいのは海の幸ばかりではないんです。

 日本海と森林を有するエリアなので、昼間と夜の寒暖差が激しく、野菜は甘みを蓄えます。

 また、丹後はコシヒカリをはじめとするお米の産地としても有名です。

 京丹後市は、京都の最北端。日本海に面し、奥深い山々が控える場所です。夏は日中30℃以上、夜は10℃以上も下がります。冬は1メートルもの雪が積もることもある厳しいエリアなのですが、だからこそ、野菜はおいしさを蓄えるというわけです。

 「自然耕房あおき」の青木美恵さんは、5ヘクタールの農地で年間150種もの野菜を育てています。農業を営むのが夢だったご主人とふたりで移住したのですが、ご主人は他界。

 「右も左もわからなく、本当はやめてしまおうかと思ったこともあったけれど、お客様やスタッフに『せっかく作った農地、土を残していこう』と応援してもらって、続けることにしたのです」(青木美恵さん)

 ご主人が作った豊かな土は、化学肥料を使ったことがなく、たくさんの有機物を蓄えています。

 時間をかけてゆっくりと育った野菜は、「食べるとまるで味付けをしたように、はっきりとした味がする」といいます。

 野菜はお取り寄せも可能。おすすめはトマトジュースやにんじんジュースです。

 「トマトジュースは、4~5種類のトマトを混ぜて作ります。でも、自然に従っているので味にばらつきがある(笑)。トマトの収穫によって配合も変わるし、すごく晴れていた週のジュースはすっごく甘いし、雨が多かった週はすっきりしてるんですよ」

自然耕房あおき

電話番号 0772-64-2028
http://www.shizenkobo-aoki.com/

2021.03.16(火)
文=CREA編集部
撮影=佐藤 亘