新作映画で魅せた
鮮やかな掛け合い

──おふたりの鮮やかな掛け合いは練習したのですか?

中村 しませんよ!(笑) 相手は「神木隆之介」ですから。1回合わせれば、何をしたいのか、お互いチューニングできるので、あとはリズムに乗って、ビートのなかで遊ぶような感覚でした。

 逃げるシーンの、昭和のコントみたいな動きは楽しかったね。リュウがどうしてもやりたいと……噓です、そうは言ってません(笑)。「こう動いたら面白いかな?」と提案してくれたので、俺が拾うからやっちゃおうぜ!とやってみました。

神木 テストのあとに話して、いきなり本番でやったらそのままOKになりました。そういうことが今回多かった気がするね。

中村 あれは、台本を読んだだけでは思いつかない、現場で実際に小道具を手にして膨らんでいったもの。そういうことが許される豊かな現場。至高のシーンでした。

神木 たしかに、ライブ感のある現場でしたね。

中村 逆に、ライブ感がないといけないコンビだったと思う。

神木 僕はなるべく視野を広げていようと思いながら演じていました。せっかく誰かが面白いことをやってくれているのに、それを拾えないのは悔しいから。

中村 ミステリーなので、観客に伝えなければいけない情報もあります。神木隆之介は、それも踏まえて、人のボケを受けつつ、適当に切り上げながら観る人が混乱しないように進める。

 周りの俳優を生かしながら、主演としても立たせることができるから、個性豊かなメンツでもブレない映画になっていたと思います。リュウは面白いことが大好きだからね。

神木 好きです(笑)。だからついつい拾いたくなっちゃう。

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神木隆之介(かみき りゅうのすけ)

1993年生まれ、埼玉県出身。主な出演映画に『3月のライオン』(2017)、『フォルトゥナの瞳』(19)など。ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」(NHK)、舞台『キレイ~神様と待ち合わせした女~』に出演中。映画『ラストレター』が2020年1月公開予定。


中村倫也(なかむら ともや)

1986年生まれ、東京都出身。主な出演映画に『孤狼の血』(2018)、『長いお別れ』『台風家族』(ともに19)。ドラマ「初めて恋をした日に読む話」「凪のお暇」(ともに19 TBS)など。映画『影裏』『水曜日が消えた』『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』が公開待機中。

映画『屍人荘の殺人』

葉村(神木隆之介)と明智(中村倫也)は、ミステリー愛好会員として、日々大学内の些細な事件を推理していた。ある日、比留子(浜辺美波)に誘われ、謎の脅迫状が届いたという、ロックフェス研究会の合宿に合流するため、紫湛荘に向かう。
全国公開中
https://shijinsou.jp/

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応募〆切は2020年1月6日(月) 消印有効。詳細は誌面をチェック!

2019.12.27(金)
文=黒瀬朋子
撮影=馬込将充
ヘアメイク=MIZUHO(vitamins/神木)、Emiy(中村)
スタイリスト=百瀬 豪(神木)、小林 新(UM/中村)

CREA 2020年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

秘密の東京。

CREA 2020年1月号

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東京は、世界でも有数の、秘密に溢れた街だと思います。見慣れた場所でも、ちょっと視点を変えれば新しい発見がある。通り過ぎてしまっているものに目を向ければ、そこにはストーリーがあります。食、建築、カルチャーなど、今回は、そんな東京の魅力を掘り下げて取材。知っているようで知らない東京に出会えます。