ふたたび、役者の道へ

――その後は、どういう道に進むという将来のプランに?

 大学にも行きたくなかったし、ずっとやりたいことが見つからなかったんです。それを理解してくれた両親が「東京の専門学校に行って、好きなものを見つけてこい」と言ってくれ、そのなかで“俳優”というキーワードが出てきたことで、舞台芸術学院という専門学校に入学しました。

――それで、ふたたび俳優への道に進もうと決心されるわけですね。

 いやいや。入ったばかりの頃は、慣れない発声練習とかバレエダンスをやっていたことで、恥ずかしいし、すぐにでもやめたかったですね(笑)。周りは学校の演劇部出身やダンス経験者ばかりですから、普通の高校生活を送っていた自分とはまったく話が合わないし、どこか場違いな感覚もありました。

――卒業後、11年より劇団・大人計画に研究生として参加します。

 専門で2年生になると、みんな事務所や劇団に入ることを目標にするなか、大人計画はみんな受けていたし、先生も勧めていたんです。当時の自分は卒業後に、大学に行って、普通の職業に就くつもりだったんですが、“記念受験”で受けたら、受かってしまいました(笑)。

2019.05.10(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘