町を散策しながらの試飲は意外と楽しい

チケット売り場

 まずは旧市街地の正門前に設置された受付で試飲チケット(3種5ユーロ/7種10ユーロ/17種15ユーロ)を購入すると、お持帰りができる試飲用のワイングラスを手渡されるのだが、町を散策してもらおうという趣旨もあってか、試飲場となっている生産者のテーブルはそれぞれ距離をおいて点在している。グラスといっしょにもらったコースマップをあれこれチェックしながらお目当てのワインを探し歩くところが通常の試飲会とは違って意外と楽しい。

これがコースマップ

 全種制覇はかなりきついが、グラスを片手にほろ酔い気分で歩く人をあちらこちらで目にしつつ、ひと通りの試飲を終えてメイン広場へ戻ってくると無料でアルコール摂取量をチェックしてくれる赤十字の車両を発見。任意のサービスなのでテストを受ける必要はないのだが、仮に基準摂取量を超えていたらどうやって帰宅するのだろう?

 幸いにして私はお酒がまったく飲めない友人(しかも警官……笑)と来たからいいものの、週末の夜に田舎町まで辿り着ける公共の交通機関はなく、車がなければアクセスは到底無理。「ワイン祭りを開催しますが、車でお越し下さい」と公言しているようなものだ。その矛盾がまたイタリアらしいと言ってしまえばそれまでだが……。

さて、あと何杯飲めるか!?

村本幸枝(むらもとゆきえ)
イタリアでは撮影コーディネートを、日本では東京・中央区で日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰。在伊歴20年ちょっと。現在、年の半分ずつをイタリアと日本で過ごしている

日伊文化交流サロン「アッティコ」:www.attico.net

Column

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text&photographs:Yukie Muramoto