イタリアの田舎町でちょっと変わったワイン祭りに参加

イタリアでは「SAGRA(サグラ)」と呼ばれる食祭りや収穫祭が様々な町で開催される。屋外が気持ちのよい初夏から旬の食材が続々と登場する秋までの間はとくに盛んになる。そのほとんどは郊外の田舎町が観光客向けのPRや町おこしの一環として行っているものだが、広場や通りに屋台や露店がずらりと並び、その土地のワインや特産物をつかった料理が楽しめるとあって、週末の暇つぶしに訪れる人も少なくない。

特設野外ステージでのコンサートや子供向け移動遊園地などのイベントが充実しているサグラもあり、家族連れや若者たちにもけっこう人気がある。ただし、オーガナイザーとしては天下一品のイタリア人ではあるが、なかには「わざわざここまで来たのに！」と、かなりがっかりな結果に終わることも。その辺は覚悟の上で出向くべきである(苦笑)。

タルクイニアの街

先日、私が訪れたのはタルクイニア(Tarquinia)という街で開催されたエトルリア・ワイン祭り(DiVino Etrusco)。ローマから北西へ約80kmに位置するタルクイニアは紀元前9世紀から1世紀にかけてエトルリア文明が栄えた土地のひとつである。紀元前4世紀以降、エトルリア人たちは次第にローマへ同化していったが、当時はイタリア半島中部に12の連盟都市を持ち、独自の高度な文化や技術を誇っていた。今年で6回目を迎えるというエトルリア・ワイン祭りはそれらのテリトリーで生産されるワインが試飲できるという内容のもの。