里山歩きで堪能する
可憐なナルシス
歩き始めて約10分、ソンルーの展望台へ向かって里山を歩いていると、牧草地にナルシスが! このエリアのシンボルとなっているマッターホルンのような形の山、ダン・ド・ジャマンを背景に素敵な景色が広がります。
もう少し登ると、スイス的なおうちの前にナルシスが満開! ハイキングしなくても、里山歩きで十分ナルシスを堪能できます。このお家に住んでいるおじさんとたまたま会うことができておしゃべりをしました。おじさんも自慢げに貴重なナルシスのお花の説明をしてくれました。
ナルシスの花の名はギリシャ神話に出てくる美少年ナルキッソスが語源となっています。泉に映る美しい自分自身の姿に恋に落ちて、その場から離れられなくなり、やせ細って死んでいったとも、または水面に映った自分に口づけをしようとして泉に落ち水死したとも言われています。
ナルキッソスが死んだ場所からは、水仙の花が咲いたので、花はナルシスと名付けられたそうです。ナルシストの語源にもなっています。
ソンルーの山頂からは広い尾根のハイキングコースが続きます。
登山道は整備されていますが、木の根や落ち葉があるので、滑らない靴底の登山靴やハイキングシューズでお出かけください。お天気が急変して雨が降る場合もあるので、レインウェアも持って行くことをおすすめします。
ソンルーの山頂にもナルシスマークの看板がありました。レザヴァン駅までは1時間20分です。
標高1198メートルのル・キュブリーまで行くとレマン湖と周辺の町並みを一望できる絶景が! ここでひと休み、水分補給もしっかりと。バーベキューができる場所もあり、お肉を焼いてワインで乾杯しているグループもいました。
またナルシスに再会できました。
標高を下げて行くと牧草地があり、牛とナルシスの風景にもスイスを感じました。
レザヴァン駅までにも何か所かナルシスのポイントがあり、まさしくナルシスの道。見どころがたくさんあるハイキングコースで楽しむことができました。
ナルシスは他にも、ヴヴェイ駅から上に位置するレ・プレイヤードやラリー、モンペルラン、モントルーから上に位置するグリオンやコーでも見ることが可能です。
春にスイスに訪れる機会があれば開花情報をチェックして、ぜひレマン湖周辺のナルシスに会いに行ってみてください。
文・撮影=西村志津