ネーミングも個性的な
ベルギースタイルのクラフトビール

ここでしか飲めないパレルモ産クラフトビールをどうぞ!

 ビール好き仲間4人がそれぞれのテーマで造った、たった4種類のビールから始まったバッララク。2016年末のオープン以来、じわじわと口コミで人気が広まり、現在は10種類のベルギースタイルのクラフトビールを揃える話題のお店に急成長です(11種類目は近日発表予定)。

小ぶりのタンクが並ぶビール工房内。

 ドイツやチェコ、オーストラリアなどから厳選したホップや麦芽を取り寄せ、パレルモの水を調整して醸造するビールはどれも味わい深く、またすべてのビールにテーマがあり、セックス・ピストルズへのオマージュ「セックス・ピルス」やカトリーヌ・ドヌーヴの映画「昼顔」からインスピレーションを受けた「Belle de jour」(=「昼顔」のフランス語原題)など、映画や音楽などのイメージを投影した風味とネーミングで、独自の世界観を展開しているのも面白いところ。

 ウンチクで飲み比べるのもよし、感性で味わうもよし。自由で個性的で、いかにもフリーダムなパレルモらしいクラフトビールが楽しめます。

シチリア産の食材を使った料理やチーズ、サラミなどがセットになる月替わりアペリティーヴォ・メニューは、ビール1杯とセットで10ユーロ。

 ところで、細い路地が入り組んだ路地裏ラビリンスに、よく醸造所のスペースがあったものだと外から見ると思いますが、しかし、路地に立ち並ぶ旧時代の建造物の多くは、貴族の館やパレルモが華やいだ時代の工場などがほとんど。一歩中に入ると思いのほか広々とした空間が広がっていたりするものです。

ビール好きのオーナーたち。左からアレッシオさん、ミケーレさん、マルコさん。
パレルモの地元客でにぎわうバッララク。店内には、ソファスペースも。
店内インテリアもオーナーたちの手作りだそう。

  バッララクもほぼ廃墟となっていた旧シチリア銀行の造幣所跡を改装。「自分たちの好きなことで、自分たちの街に残る歴史ある建物に再び命を与えたい」との想いもあり、選んだ場所なのだそう。

 地元愛も感じさせるパレルモ産クラフトビール。パレルモを訪れる機会があったら、地元客のにぎわいに紛れ、唯一無二のビールを味わってみては? これからの季節は特に、ワインの名産地シチリアだって、やっぱり先ずはビールから!

バッララク
所在地 Via Saladino,7 Palermo
電話番号 091-7789953

岩田デノーラ砂和子
2001年よりイタリア在住のライター/コーディネーター/通訳。現在はシチリア州パレルモ在住。イタリア専門コーディネートチーム「Buonprogetto.com」を主宰するほか、個人旅行者向けイタリア旅行サイト「La Vacanza Italiana」を運営。イケメン犬ボン先輩とヤラカシ系イタリア人の夫との日々を綴るBLOG「ボン先輩は今日もご機嫌」が、ただ今人気急上昇中!

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文・撮影=岩田デノーラ砂和子