硫黄成分をたっぷり含んだ
天然ファンゴでニキビケア
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イタリアも日本同様の火山国。現在も活動を続ける世界遺産、3000メートル級のエトナ山が鎮座するシチリア島では、あちこちに温泉が見つかります。
その多くは海の近く、もしくは海中にあり、火山由来の硫黄成分と海水が混ざった泉質。いわゆる“卵が腐ったような”香りを強烈に放つ温泉に浸かれば、遠い地中海にいながらも、なんだか懐かしいような、ちょっとホッコリした気分になるような、ならないような……。
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日本の温泉のようにしっとりとしたワビサビは感じられませんが、遥かなる地中海のロマンを感じられるのが、シチリアの温泉の魅力でしょうか。
シチリア本島では、州都パレルモ郊外の古代神殿が建つセジェスタ、テルミニ・イメレーゼ。東岸のカターニャ近くのアチレアーレ、南岸のシャッカ(現在は閉鎖中)などが温泉地として知られています。
温泉プールやサウナ、スパ施設を備えたホテル、健康保険が利用できる医療施設などもあり、リラックスはもちろん、本格的な治癒目的で訪れる人も。意外とイタリア人も温泉の効能を信頼していたりするものなのです。
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そして、シチリア島周辺に浮かぶ島々には、野趣溢れる天然温泉が見つかります。
シチリア島の喜多川に浮かぶ宝石のように美しい7つの島々、エオリア諸島のヴルカーノ島は、古代ギリシャ神話の炎の神ヘーパイストス(古代ローマ神話ではウゥルカーヌスもしくはヴァルカン)の鍛冶場があったとされる島。英語の「火山」の語源でもある神の島には、硫黄成分たっぷりの高温ファンゴと温泉が湧く海があります。
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右:日本の温泉同様、効能と適応症や禁忌症が書かれた看板もあって本格的?!
ビーチサンダルを通しても足裏に感じる地熱。焼け付く硫黄の岩山に、ウォームグレー色の天然ファンゴの沼……。キラキラ輝くシチリアの太陽と青空がなければ、ちょっとオドロオドロしい雰囲気ではありますが、この天然ファンゴ、皮膚(主にニキビ・吹き出物)、関節、呼吸器の疾患などに効くと言われています。
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ファンゴ沼の先に広がる青い海は、なんと温泉! 海底から温泉がポコポコと湧き出る海中温泉で、海岸近くの浅瀬は熱め、深くなればぬるくなります。
ちょうど適温の場所に陣取っても、湯加減は常に動く波によって変わる“湯加減は海次第”という、なかなか壮大な温泉なのです。温泉効果に加えて、偉大なる地球のエネルギーを直接的に感じられる非日常感に癒されること請け合いでしょう。
文・撮影=岩田デノーラ砂和子