食材、空間、テクニック……。年を追うごとに飛躍的にその美味しさが進化しているオアフ島。今、最も注目の最新グルメスポットをご紹介!

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握りとつまみを交互に供する
独自のスタイルを貫いて

◆Waikiki Sushi Sho
  (ワイキキ すし匠)

「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス ワイキキビーチ」に登場した「ワイキキ すし匠」。このカウンター席の予約を世界の美食家たちが待ち望む。

 日本屈指の寿司職人として名を馳せる中澤圭二氏が、東京・四谷の名店「すし匠」を後進に任せ、ワイキキに出店したのは2016年9月のこと。

左:付け台はコアの木、握りは「モイ」。赤酢のシャリと塩麴のなかで2週間寝かせたモイは、深い熟成味を含む。
右:「チェリーストーンクラム」には甘辛いツメを塗って。

 ここで中澤氏は“世界一の寿司屋”を目指すべく、主にハワイとアメリカ本土の素材を使い、伝統と革新が響き合う江戸前寿司を披露した。

 画期的な寿司は、瞬く間に美食家を魅了。カウンター席の予約は困難を極める。寿司は“おまかせコース”のみ。握りとつまみが交互に供される独自のスタイルで、物語性豊かにハワイ発の江戸前を堪能させる。

左:酒粕と味噌に漬け、焼いた「オパ」の濃厚な旨みをフィンガーライムが爽やかに包み込む。
右:近海のマグロも極上。握りのほか、ハワイらしく“ポケ風”のつまみとしても登場する。

 「挑戦し、新しいものを創り出す愉しみがハワイにはある。ライバルはジャパニーズです」と語る中澤氏と向かい合い、心新たに江戸前を味わいたい。

左:カウンター背後にある木扉には、江戸前寿司の元祖である華屋与兵衛が、なんとハワイの海でモイを釣る姿が彫られている。右:ワイキキを見渡すザ・リッツ・カールトンのプールテラスを抜け、店内へ。
左:「ハーツ・オブ・パーム(ヤシの芽)」のガリは、サクサクとした食感がよく、後を引く美味しさ。
右:柚子はハワイ島産。江戸前の丁寧な仕事を凝らした魚介が柚子と出会い、より生き生きとした味わいに。

Waikiki Sushi Sho
(ワイキキ すし匠)

所在地 The Ritz-Carlton Residences, Waikiki Beach, 383 Kalaimoku St., Honolulu
電話番号 808-729-9717
営業時間 17:00~/20:00~の二部制
定休日 日曜
料金 メニューはおまかせコースのみ、1名300ドル~
http://www.ritzcarlton.com/jp/hotels/hawaii/waikiki/dining/sushi-sho
※要予約

取材・文=上保雅美
構成=矢野詔次郎
撮影=阿部 浩
コーディネイト=工藤まや、ジャネット・メイヤール