原始の森が残る周囲1.5キロの神域

 今回のイベントの舞台となったのは、この写真の中央に浮かぶ小さな島だ。その名を「青島」という。

輝く朝陽と青島。

 青島は、海底から隆起した土地に貝殻が堆積してできた、周囲約1.5キロの小さな島。ここには青島神社があり、江戸時代までは島内への一般の人の立ち入りが禁じられていたという神域だ。今でも通常は車の往来はなく、訪れる人は歩いて橋を渡る。

右側の橋を渡って青島へ。干潮時には橋を使わずとも渡ることができる。
橋を渡りきると右側に鳥居が見えてくる。

 島は通称「鬼の洗濯板」と呼ばれる波状岩によって囲まれており、その景観は独特だ。

砂岩と頁岩(けつがん)が交互に堆積した地層が海底から隆起。その後、波に洗われてできた景色。

 繰り返される潮の満ち引きと、寄せては返す波が岩を削り取り、長い時間をかけることでしか生まれ得ない海の景観。一方で島の内側に目を向けると、亜熱帯性の熱帯雨林がほぼ原生のまま、息をひそめるように繁茂する。この原生の森をもっとも感じることができるのが、島の中央に位置する青島神社だ。

 今回の「DINING OUT MIYAZAKI with LEXUS」のホスト、コラムニストの中村孝則氏に境内を案内してもらった。

青島は古くから霊域、神域として人が立ち入らなかったため、手つかずの自然が残されている。

 青島には200種を超える植物が自生し、そのうち熱帯・亜熱帯植物は27種。そして島の植生の約80%がビロウ樹なのだという。

左:本殿から続く、ビロウ樹に囲まれた約60mの「御成道」。
右:御成道の先には元宮(もとみや)がある。ここが島のほぼ中心。
神社の前の浜辺で真砂(タカラガイ)を探してお供えすると願いがかなうとか。
左:青島神社で引いたおみくじの結果は「平」。
右:「宮崎料理:チキン南蛮」という結果。

 そしてこの青島神社の西側、ビロウ樹の森の一角に、特設レストランが出現した。

2017.07.02(日)
文・撮影=CREA WEB編集室