ジョン・トラボルタと踊った
「トラボルタ・ドレス」も展示中

 今回の展示の目玉のひとつに、ミッドナイトブルーの「トラボルタ・ドレス」があります。これは、1985年、ホワイトハウスのガラディナーの際にダイアナ元妃が着用し、ジョン・トラボルタとダンスを踊ったことで有名になったもの。

 1997年、元妃が亡くなるわずか2カ月前にチャリティ・オークションにかけられた79着のうちのひとつで、10万ポンドという高値で競り落とされました。これは当時としては、オークションで落とされたドレスのなかで歴代最高額だったのですが、さらにその後、2013年に再び競売にかけられたときに、前回を上回る24万ポンドの値段を付け、再び話題をさらうことに。

左:今回の展示の目玉のひとつ。ダイアナ元妃がホワイトハウスでジョン・トラボルタと踊ったときに着用していたことで有名な「トラボルタ・ドレス」はビクター・エデルステインのデザイン(1985年)。シンプルに見えますが、動いても身体のラインが美しく出るようにデザインされているとか。(C)Historic Royal Palaces, Newsteam
右:ビクター・エデルステインのデザインによるシルクベルベットのイブニングドレス。スカート部分の前のほうに、指の跡のようなものが。幼き日の王子たちがしがみついたときに付いたものでは、と言われています。(C)Historic Royal Palaces, Richard Lea Hair

 このドレスをデザインしたビクター・エデルステインは、ダイアナ元妃のファッションを大人の女性のものに変貌させた立役者と言われています。元妃はときおり、エデルステインのキャットウォークのリハーサル会場を訪れていたそうで、エデルステインの隣に腰掛け静かにリハーサルを見学する元妃の姿をとらえた映像が今でも残っており、デザイナーとの信頼関係がしのばれます。

左:ロイヤルファミリーの一員として英国人デザイナーを起用してきたダイアナ元妃が、結婚生活の破綻後に、お気に入りのベルサーチに依頼したシルクのドレス(1991年)。1991年、ファッション誌の撮影の際に着用。(C)Historic Royal Palaces, Richard Lea Hair
右:ダイアナ元妃が王室から離れる決別のあらわれとも言われた、1997年NYのクリスティーズにおけるドレス・オークション前日のガライベントのために誂えられたワンピース。(C)Historic Royal Palaces, Richard Lea Hair
キャサリン・ウォーカーのデザインによるスーツ(1997年)。90年代、チャリティの仕事をますます活発に行うようになったダイアナ元妃は、その服装よりも彼女の仕事に人々の目がいくように、抑えめのスーツを好んで着るように。特に子どもと触れあう機会には、明るい色のしわになりにくい素材の服を選んだのだそうです。(C)Historic Royal Palaces, Richard Lea Hair

 このダイアナ元妃の衣装展の会期は明らかにされていませんが、今年いっぱいは確実に開催とのこと。人気のエキシビションなので、必ず公式サイトから前売り券を購入して行かれることをおすすめします。

 また、このエキシビションに合わせて2017年春夏には、ダイアナ元妃を偲ぶホワイト・ガーデンも公開予定だそうで、今年ロンドンを訪れる方にはおすすめのデスティネーションです。

Kensington Palace
料金 大人17.10ポンド/オンライン予約(任意の寄付金なしの場合 15.50ポンド)
http://www.hrp.org.uk/kensington-palace/
※ケンジントン宮殿の入場料にエキシビションの入場料も含まれています。

安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
ロンドンでの小さなネタをつづったフェイスブック www.facebook.com/kresseuropelimited
運営する編集プロダクションのウェブサイト www.kress-europe.com

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文・撮影=安田和代(KRess Europe)