和・伊融合、簡単おいしいレシピ
「カジキマグロとプルーンのわさびカルパッチョ」

 教えてくださったのは、フェッラーラという町でレストラン「Lemòkò(レモコ)」を営む、オーナーシェフのグイドさん。建築家からシェフへと転身した経歴の持ち主で、建築家らしい、創作力にあふれる彼の料理が、地元でも人気です。

中世、理想都市として作られた美しい街並みを今も残すフェッラーラ。

 お店のあるフェッラーラの町は、14世紀、エステ家によって理想都市として整備され、ルネッサンス文化の中心地の一つとして栄えました。今も中世の面影が残る、美しい街並が魅力です。

緑の庭とレンガのかわいらしい建物がいい雰囲気のレストラン「Lemòkò」。

 緑あふれる庭の中、レンガ造りの小さな建物がお店。以前はリモナイア(レモンの温室)として使われていたものを、リノベーションしたものです。

左:オーナーシェフのグイドさん。上品で繊細な彼の料理は、新鮮なアイディアと世界の食材を研究する情熱、それをバランスよく構築する絶妙なセンスに裏付けられた、まねの出来ない逸品。
右:食事を楽しむ人々で賑わう店内。この日はミラノやヴェネツィアなど、フェッラーラ県外からわざわざ足を運ぶお客様も。

 オープンキッチンと20席ほどがある小さなお店。小さいながらも、大きな窓が明るく開放的で、レンガ造りが醸し出すあたたかな雰囲気のある空間です。また、オープンキッチンから料理が出来上がるのを待つワクワク感が、この空間を楽しげな雰囲気にしてくれています。

作り方を教わった「カジキマグロとプルーンのわさびカルパッチョ」。

 日本の家庭でも作れるようにと選んで、教えていただいたのは「カジキマグロとプルーンのわさびカルパッチョ」。

 カルパッチョはとってもポピュラーなイタリア料理です。味の強いわさびを添えることによって、和風になってしまうのではと思いきや、プルーンの甘みとわさびの刺激が合わさって生まれる味のハーモニーが実においしく、その味はもう和にとどまらない、とっても新鮮なイタリアンなのです。

 おいしさのわりに、すごく簡単な作り方は次の通りです。ぜひ、みなさんの食卓で、和とイタリアンの融合を味わってみてください。

「カジキマグロとプルーンのわさびカルパッチョ」のレシピ

■材料
・カジキマグロ(カルパッチョ用):250g
・プルーン(ドライ):50g
・フェンネル(なければ大根で代用):1個
・カイワレ大根:ひとつかみ
・ライム:1/2個
・砂糖:20g
・粒胡椒:小さじ1/2
・塩:25g
・オリーブオイル:適量
・わさび:適量

左:今回のレシピの材料。身近な食材で簡単に作れます。
右:白いお皿に美しく盛り付ける。

■作り方
(1) 薄切りにしたライム、塩、砂糖をよく混ぜマリネ液を作り、カジキマグロを3時間ほど浸します。
(2) フェンネルを薄切りにし、冷水にさらしておきます。
(3) カジキマグロの汁気をとって皿に並べ、刻んだプルーン、水分をよく切ったフェンネル、カイワレ大根、胡椒を上に散らし、オリーブオイルを軽くかけます。
(4) 皿の端にわさびを盛り付け、好みに応じてわさびを付けながらいただきます。

Lemòkò(レモコ)
所在地 Via G.Byron, 10, Ferrara
電話番号 335-7407628
http://www.lemoko.it/

藤原亮子 (ふじはら りょうこ)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。イタリアでの日々をつづったフェイスブックはこちら。 https://www.facebook.com/chococogogo

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文・撮影=藤原亮子