昨年5月より進めてきた長期プロジェクトが、いよいよ丸亀のまちの中へ。

MIMOCAでの「野点」の様子(2025年11月23日) 撮影:山川颯馬

妄想屋台プレゼンの様子(2026年7月)撮影:TOMOKO MAKIURA

交流会の様子(2025年7月)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)は、陶芸家・美術家のきむらとしろうじんじんによる「野点」と、地域住民がプロジェクトメンバーとなり「自分にとっての魅力の予感」を「妄想屋台」として路上に持ち出すプロジェクトを、2025年度より継続的に実施してまいりました。
11月23日(月・祝)および29日(日)は、これまでの活動の集大成となる2日間です。ぜひご取材いただけますと幸いです。
概要
【日時・会場】各日ともにお昼頃~日没まで1.11月23日(月・祝)|丸亀城東側(遊園地跡周辺)
2.11月29日(日)|石の広場(東汐入川緑道公園南側)
【内容】素焼きのお茶碗に絵付けをして焼き上げお抹茶を楽しむ、きむらとしろうじんじんの「野点」と、プロジェクトに参加する地域住民(プロジェクトメンバー)が「自分にとっての魅力の予感」を路上や空き地に屋台として展開する「妄想屋台」を、丸亀城と東汐入川緑道公園で開催します。
昨年5月からワークショップを重ね準備を進めてきた本プロジェクトの集大成として、いよいよ丸亀のまちの中に「野点」と「丸亀妄想屋台群」が立ち現れます。
【参加費】入場無料・申込不要
- 野点:お茶碗作り…1個2,500円、お茶席体験…400円※お茶碗の数には限りがあります。売り切れの場合はご容赦ください。※お茶碗作りやお茶席の
予約はできません。※お茶碗は順番に焼き上げるため長時間お待ちいただく場合があります。
- 妄想屋台:屋台によって一部有料
【主催】丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団
【共催】丸亀市市民交流活動センター マルタス
【ご来場の皆さまへのお願い】
※各会場に専用駐車場はありません。公共交通機関、または近隣の有料駐車場をご利用ください。
※29日会場の「石の広場」周辺は住宅街となっております。周辺の環境や近隣の皆さまへのご配慮をお願いいたします。路上駐車や近隣施設・私有地への駐車はご遠慮ください。
※雨天結構。荒天の場合は中止となることがあります。中止の場合は当館SNS等でお知らせいたします。

会場周辺地図
1.11月23日(月・祝)
丸亀城東側(遊園地跡地周辺)
香川県丸亀市一番丁
丸亀のランドマークであると同時に、市民から日常的に利用されている丸亀城内の東側。実は今から25 年前、遊園地があった頃に「野点」が開催されました。穏やかで美しい風景と、安心してのびのびと集合できる気配に惹かれ、この場所で実施します。本会場では「野点」と共に「8 ページの豆本」屋台、「妄想獅子舞」屋台、「即興芝居」屋台など約15 台の屋台が登場予定です。

11月23日の会場「丸亀城東側(遊園地跡周辺)」
2. 11月29日(日)
石の広場 (東汐入川緑道公園南側)
香川県丸亀市土居町3丁目5
昨年5月に実施した第一回目のおさんぽ会で偶然出会った場所。人通りは少ないけれど、掃除は行き届いていて人の気配もあり、不思議な魅力を感じました。何度も訪れるうちに愛着が湧き、当日は周辺の方々に寄ってもらえるような現場にしようと開催する決意をかためました。本会場では「野点」と共に「寝る」屋台、「みんなの願いを1つに!くす玉」屋台、「のこぎり音楽の演奏」屋台など約20台の屋台が登場予定です。

11月29日の会場「石の広場(東汐入川緑道公園南側)」
野点とは?
野点とは、野外で抹茶をたてて楽しむことですが、きむらとしろうじんじんの「野点」では、抹茶を楽しむお茶碗を作るところから始まります。きむらとしろうじんじんは、素焼きのお茶碗と陶芸窯とお茶道具一式を積んだリヤカーを引いて、公園や空き地、駐車場など、その土地のさまざまな場所に出現します。参加者はその場で茶碗に絵付けを施し、「楽焼(らくやき)」と呼ばれる方法で焼き上げ、自ら
制作した茶碗で、「その土地の・その日・その時の風景の中で」抹茶を楽しみます。

MIMOCAでの「野点」の様子(2025 年11月23日) 撮影:山川颯馬
きむらとしろうじんじん
1967 年新潟県生まれ、京都府在住。京都市立芸術大学大学院美術研究科で陶芸を学ぶ。1995 年から移動式陶芸お抹茶屋台「野点」を全国各地で開催。「もっともチャーミングな」服装で参加者をもてなし、路地・空き地・公園などに一期一会の風景や交流を生み出している。丸亀では2001 年と2003 年に商店街や当館ゲートプラザなどで野点を開催。

きむらとしろうじんじん
丸亀妄想屋台群とは?
丸亀市を中心に各所から集まったプロジェクトメンバーは、きむらとしろうじんじんの「野点」と共に、「自分にとっての魅力の予感」をまちに持ち出す試みである「妄想屋台」を展開します。風呂敷1 枚でできることから、巨大なものまで、あるいは身ひとつでも構いません。
メンバーそれぞれの「やってみたいこと」、「魅力的だと思うもの」を屋台として実現させようと、スケッチを描き、プレゼン大会を行い、準備を進めてきました。11月23日(月・祝)、29日(日)には、こうした屋台が丸亀のまちの中に集まり、その日・その場所にしかない風景として、「丸亀妄想屋台群」が出現します。
妄想屋台のアイデアスケッチ
これまで、おさんぽ会で出会った風景から誘発された屋台や、魅力的だと思う屋台をスケッチして「妄想屋台プレゼン大会」で発表しました。「8ページの豆本」屋台(来場者が豆本を作る)や「ミートペット」屋台(手作りの“ペット”とお散歩体験をする)など、様々な「妄想屋台」のアイデアが生まれています。

「妄想屋台」スケッチ

「妄想屋台」スケッチ

「妄想屋台」スケッチ
本プロジェクトについて
本プロジェクトはアーティスト・きむらとしろうじんじんの「野点」と、プロジェクトメンバーが自分にとっての魅力の予感を路上や空き地に持ち出す「妄想屋台」を、まちのなかに展開することを目指して、昨年5月から活動しています。プロジェクトメンバーは「自分にとっての魅力の予感は何か?」を起点に、丸亀市市民交流活動センターマルタスやMIMOCA が媒介となって、きむらとしろうじんじんや多様なメンバーと対話を重ねながら「野点(のだて)と丸亀妄想屋台群」の実現に向けて構想を深めてきました。メンバーが開催場所の検討や交渉、地域との関係づくりを進めてきた点も、本プロジェクトの特徴です。
プロジェクトメンバーとは?
きむらとしろうじんじんと一緒に「野点」の来場者を迎えるスタッフとして活動したい、「妄想屋台」をまちの中に持ち出す屋台主になりたい、という思いを持って参加している地域住民のことを指します。メンバーは妄想を具現化して現実に着地させるまでの嬉しさや苦悩すべてを楽しみながら、きむらとしろうじんじんと路上に出ることを目指しています。現在、約50名のメンバーが継続的に参加しています。

ミーティングの様子(2026年2月)
2か年の活動紹介
2025年5月から説明会やおさんぽ会が始まり、その後もプロジェクトメンバー同士で交流を深めてきました。昨年の11月23日には丸亀市猪熊弦一郎現代美術館ゲートプラザで「野点と妄想屋台」を開催し、そこから更に1年間、開催地探しや妄想屋台の構想・制作を進めてきました。

おさんぽ会の様子(2026年4月)
妄想屋台が生まれるまで
自分にとっての魅力の予感や、おさんぽ会で出会った魅力的な風景に誘発されたアイデアをもとにスケッチを描いて、プレゼン大会で発表しました。プレゼン大会後には、メンバー同士で集まって作業をしたり話し合ったりして制作を進めてきました。

交流会の様子(2025年7月)
丸亀市市民活動センター マルタス
丸亀市市民交流活動センター マルタスは、NPOやNPO 法人、市民活動を行う団体や個人を支援し、市民と行政・様々な分野のNPO・企業・大学等を繋ぎ、これからの未来の丸亀市を担う「人」をつくる、「人づくり」のために2021 年に開設した施設です。本プロジェクトでは、地域とのネットワークづくりや情報提供を担うほか、MIMOCAと共同でプロジェクトメンバーの募集、広報運営などを行っています。

丸亀市市民交流活動センター マルタス
当日の取材についてのご案内
当日は、MIMOCA 事業担当者やマルタス担当者およびプロジェクトメンバーがプロジェクトの背景や、地域の方々と取り組んできたプロセスについてお話いたします。ぜひ、ご取材ください。なお、きむらとしろうじんじんへの個別質問については、野点の準備・実施等のため、当日の状況によりお時間を確保できない場合がございます。取材をご希望の方は、あらかじめ来場時間やご希望の取材内容等をご相談ください。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)について

撮影:増田好郎
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(愛称:MIMOCA)は、丸亀市の市制施行90周年の記念事業として、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと1991年11月23日に開館しました。
建築家の谷口吉生による美しい建築を丸亀駅前に構える当館は、猪熊本人から寄贈を受けた約2万点の猪熊作品を所蔵し、常設展で紹介するとともに、現代美術を中心とした企画展を開催しています。また、講演会やコンサートなどの多彩なプログラムや、子どもの感性や創造力を育むワークショップなどを開催し、教育を目的とした活動にも力を入れています。
これらの特色は、猪熊と丸亀市とで協議を重ねて作り上げられました。猪熊は、MIMOCAが常に新しいものを積極的に紹介する「現代美術館」であることを強く希望しました。また、自然光を取り込んだ明るく広々とした空間は、美術館に美しい空間を求める猪熊の意思を共有して谷口が形作りました。そして猪熊は子どもが美にふれることを重視し、子どもの観覧料無料や、子どもが造形活動をする「造形スタジオ」の設置などを提案しました。
気軽に立ち寄り、美しい空間でいい作品を見て、新鮮な刺激を受けて心が元気になる場所であることを美術館に求めた猪熊は、MIMOCAのあるべき姿として「美術館は心の病院」という言葉を残しました。猪熊の思いが込められたMIMOCAが、みなさまの「心の病院」となれば幸いです。
