8月21日(金)より、大阪中之島美術館で「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」が開催されている。オランダ・マウリッツハイス美術館の改修工事に伴い実現した同展覧会。14年ぶりに来日した《真珠の耳飾りの少女》を含めた、展覧会の見どころをレポートする。
日蘭の長年にわたる友好関係が実現させた
8月21日より開催中の、「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」。前日に行われた同展の記者会見には、マウリッツハイス美術館のマルティネ・ゴッセリンク館長が登壇した。鎖国体制下も続いた日蘭の交流と、マウリッツハイス美術館が両国の友好関係が始まってまもない1623年に建てられた歴史を重ね、「長い友好関係があるからこそ、《真珠の耳飾りの少女》を貸し出す国があるとすれば、それは日本しかないと考えた」と明かす。
開催館となった大阪中之島美術館に、主催の朝日新聞社から同展について相談があったのは、昨年2025年のことだったという。通常、展覧会のスケジュールは数年前から決まっているが、偶然にも同館では展覧会スケジュールの大幅な組み替えを行っている最中であり、日程の調整が叶った。日本とオランダの長年の友好関係と、展覧会スケジュールの組み換え。さまざまな奇跡が重なって実現した展覧会といえる。
フェルメールの卓越した技量を示す傑作《真珠の耳飾りの少女》は、フェルメールブルーの回廊を抜けた、同展最後の展示室に飾られている。フェルメールは筆使いを巧みに使い分け、少女の顔はなだらかな、筆跡が見えないほど柔らかく表現されている一方、白い襟の部分は厚塗りで表現され、青いターバンは高価なウルトラマリンの顔料で繊細に表現されている。
記者会見にも登壇したオランダ側監修者であるユーディト・ニーセン学芸員は「なかでも最も素晴らしいのが、少女の耳飾りとなる真珠の描写」と語る。
「ほんの数回の筆致で描かれていて、真珠の左上は明るいハイライト、下のほうは白い襟の柔らかな反射が描き込まれています。大きな真珠を作品の中心に据えることで、鑑賞者の視線は一瞬にしてそこに惹きつけられる。実はこの真珠は本物ではなく、ベネチアン・グラスのようなものか、あるいは銀やスズに何かコーティングをしたものだと考えられています」
1994年には大規模な修復プロジェクトが行われ、黄色く変色した古いニスの層が除去された。この処置によって細部が明らかになり、口元にはピンク色の絵の具を二筆置いて表現したハイライトがあることも判明した。
