北九州で書店員をしている語り手のかぁなっきさんと、その大学の後輩である聞き手の映画ライター・加藤よしきさんをMCに、今年で10周年を迎えた人気怪談語りチャンネル「禍話(まがばなし)」。サクッと聞ける小話から、回をまたいでつながる長編まで、その怪談の種類は多岐にわたり、令和のホラーファンの心をつかみ続けています。

 そんな禍話から今回は、怖いもの知らずの不良たちが恐れをなした、ある“石の塚”に関するお話をご紹介します――。

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不良たちの“不謹慎”な行動から…

「――いやマジマジ。なんか、じいさんが急にキレて殴りかかってきそうな勢いだったんだよ。作業着の袖捲り上げてさ」

「普通、現場だったらそこは引くだろ? でも、K先輩は違ったんだな。聞かせてくれたやつ、再現してくださいよ!」

「めんどくせぇなぁ~」

「お願いします!」

「はぁ……『おっさん、今俺に手出したらどうなるか分かって言ってる? あそこに防犯カメラあるの、見えるよな? 今てめーがちょっとでも突き飛ばしたら、労災じゃなくてあんた個人の暴行罪だからな? 工期が遅れた違約金も全部あんた個人の口座から差し押さえて人生ごと詰ませるぞ、コラ。家族も一発で路頭に迷うんだよ。それでもいいなら、ほら、早く殴れよ』」

「えっぐぅ~! 殴らせて人生ごと終わらせるセットアップ!」

「穏便にすっとさ、後からグチグチうるせぇだろ、ああいうおっさんって。だから、最初にハッタリと逃げられない金のリスクで、精神的に潰しとくんだよ。あのおっさん、顔真っ赤にして周りに止められてたぜ。結局、後で謝りに来たけど、残りの仕事も全部こっちの言い値でやらせたわ」

 平成の中頃。Iさんたち不良メンバーは、地元で働いている先輩のKさんを交えて家で酒を酌み交わしていました。

 中学を停学になっただの、ゲーセンで金を巻き上げただの、果ては警察に追われたけれど振り切っただのと、次々と語られる不良自慢は彼らにとっては良い酒の肴でした。

「神様とトイレ我慢するのとどっちが大切なんだって話だろ」

「いや、だからって神社の鳥居にションベンすることねぇだろ! 祟られんぞ!」

「俺、前に賞味期限切れてないから大丈夫だと思ってお供えの大福食ったけど、普通に腹壊したことあるぜ。祟りじゃね、これ?」

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