健康な30代女性なら1食に白米を200gほど食べても問題なし
――1回の食事で、ご飯はどれくらい食べていいのでしょうか?
健康な30代女性で体重が55kgとしたら、1食に白米を200gほど食べても問題ありません。お茶碗に1杯より少し多いくらいの量が目安です。しっかり食べることで、間食を減らせますし、トータルで見て食べ過ぎにはならないはずです。
――5つの輪っかを揃えることをイメージした食事を続けていると、ダイエット効果も期待できますか?
栄養素が足りていると食の暴走が起こりにくくなるので、体重の管理はしやすくなります。
以前の坂本選手は白米を控えていましたが、糖質は重要なエネルギー源のため、過度に制限すると、
糖質を敵視する風潮がありますが、バランスのいい食事を摂っていれば、糖質はエネルギーを燃やすための燃料として消費されるので、太ることはありません。それどころか、毎回の食事でしっかり炭水化物を摂ることで、糖質への強い欲求が減り、衝動的に甘いものを食べてしまった後の罪悪感から解放されるので、メンタル的にもプラスに働くと思います。
――坂本選手もご飯を食べるようになって、甘いものを罪悪感なしに楽しめるようになったのでしょうか?
今ではコーチたちの前でマフィンを食べたり、おにぎりを食べたりしています。実は、この1年ほどでコーチやスタッフも、食事に対する考え方に大きな変化がありました。以前は食事量を抑えるよう指導をしていましたが、最近では、若いフィギュアスケート選手たちがちゃんと朝ご飯を食べてきたかを抜き打ちチェックしたり、3食では足りない分のエネルギーを補う補食用におにぎりを置いておこう、という声まで聞かれるようになりました。
――バランスよく食べていても、生理前に襲ってくる強烈な食欲や甘いものへの欲求はなくならいですよね?
私は、生理前を「フィーバータイム」と呼んでいます(笑)。どうせ、食べても食べなくても体重は増えるので、だったら、好きなものを食べたほうが幸せだな、と。ほんの数日だけ自分を甘やかし、そこから普段の食事に戻していけば、極端に体重が増えることはありません。
いちばんよくないのは、甘いものを食べたから、次の食事でご飯を抜こうと考えること。これをやると[甘いものを食べる→白米を減らす→次の食事の前にお腹が空く→糖質が不足しているのでまた甘いものが食べたくなる]という悪循環の入り口に立つきっかけになってしまい、バランスのいい食事から、甘いもの中心の食生活にシフトしていってしまいます。
5つの輪っかを食事のベースと考えて、たとえば、甘いものを食べたら翌日は揚げ物を控えて魚を食べるなど、ベースの中でやりくりして調整できると、健康的な美しさを維持していくことができると思います。
――坂本選手のような内側から輝く美しさを私たちも手に入れることができるでしょうか?
もちろん、できます! そのためにも、まずは食べることに対して、もっとポジティブになってほしいです。
最初は、食べることが怖いかもしれません。でも、体調の変化に注意を向けながら、5つの輪っかを意識した食事をしてみてください。朝の目覚めがいいと1日が充実しますし、集中力が高まると仕事がはかどるので、プライベートの時間が増えます。続けることで、肌や髪、爪など、見た目の変化もいろいろ実感できると思います。
1kgの体重の増減に一喜一憂する毎日よりも、日々を溌剌と美しく生きる。食べることで、そんな人生を叶える女性が増えてくれたら、こんなに嬉しいことはありません!
» 前篇を読む:「食べるのが怖かった」「月1回ペースで体調を崩していた」有終の美を飾った坂本花織選手に学ぶ「食べないダイエット」の危険性
高柴瑠衣(たかしば・るい)
2016年、味の素株式会社入社。プライベートでは人命救助を行うライフセービング活動に取り組んでおり、29歳で日本一のタイトルを獲得。スポーツにおける食事の大切さを自身の体験として実感し、育休・産休を経て2024年「ビクトリープロジェクト®︎」メンバーになる。
協力 ビクトリープロジェクト®︎
