バルセロナ市内でも何箇所かこのクリスマス市が立つが、なかでも一番有名なのはカテドラル前の広場に立つサンタ・ユシア市(Fira de Santa Llúcia)だ。起源は1786年とされ、今年はちょうど225周年にあたる。300軒近くも並ぶスタンドには、キリストを抱く聖母マリアや東方の三博士、羊飼いなど、生誕の場面に登場する人形をはじめとし、ベレンのためのあらゆるパーツが並ぶ。ほかにもリースやサンタクロース関係などとにかくクリスマス関連の小物が大集合。ぶらぶら見て回るだけでも楽しく、この時期のお土産さがしにもぴったりである。

 そして何かユニークなお土産が欲しい方なら、何といってもお勧めはカガネー(Caganer)だ。ベレン自体はスペインの全国的なものであるが、ここカタルーニャ地方ではその飾りつけのなかに必ず、なんとウ○チをしている最中の人形を飾る習慣があり、その人形がカガネーである。写真を見ていただければ一目瞭然、思いっきりその最中の恰好で、ご丁寧に出てきたものまでしっかり再現されている。初めてみる人にはかなり衝撃的なこの人形、もともとは大地の豊穣を祈願するところからきているのだとか。

次のページ 有名人やアニメのキャラクターのカガネー

text:Miyuki Tsubota