かつて、王や妃が手にしたといわれる由緒ある品々――。何世紀もの時を経てもなお人々に愛され続ける逸品をご紹介!
» 第1回 ヴェルサイユ宮殿を照らし続けたキャンドル
» 第2回 ナポレオンがこよなく愛した優美な香り
» 第3回 皇族の美を讃えた麗しいデザインを誇る銀器の工房
» 第5回 ルイ14世も文をしたためたインクを扱う老舗文具店
【CHOCOLATE】
Debauve & Gallais (ドゥボーヴ・エ・ガレ)
マリー・アントワネットの一言から名菓が誕生
パリで最も古い歴史を持つショコラティエ。ルイ16世の王室薬剤師だったスルピス・ドゥボーヴは、1779年にマリー・アントワネットに新薬を届けた際に苦くて飲みにくいと言われたため、チョコレートで薬を包んで王妃に供することに。
こうして生まれたコイン形のチョコレートは、マリーによってピストル(古金貨)と名付けられた。
文=原 正枝
撮影=稲垣岳彦